トップ>話題の不動産キーワード>VOL.26 建物評価手法の改善:リフォームが一戸建ての建物価格に反映される評価方法へ
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2015年06月17日
(公財)不動産流通推進センター の「戸建住宅価格査定マニュアル」が改訂され、WEB上で使用できるようになる(画面イメージ)
(公財)不動産流通推進センターが「戸建住宅価格査定マニュアル」を改訂する(平成27年7月末予定)。改訂の目的は、良質な維持管理や適切な補修などが行われている住宅が適切に評価されるようにということだが、その背景や新しい評価手法について見ていこう。
不動産流通市場の活性化について具体的に検討する場として設けられた「不動産流通市場活性化フォーラム」による提言のひとつに挙げられたのが、「築年数を基準とした建物評価基準(手法)の見直し」だ。自宅をリフォームするなどした場合に、その価値が適切に売買価格や担保評価に反映されるようにするため、建物評価手法の見直しが必要だとしている。 この提言を受けて、有識者による「中古住宅に係る建物評価手法の改善のあり方検討委員会」が設置され、平成26年3月末に「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」がとりまとめられた。
マンションについては、取引事例が多いことからそれを参考にした「取引事例比較法」による評価が一般的であるが、中古の一戸建て住宅の建物部分については、「原価法」といわれる評価が行われるのが一般的だ。原価法とは、再調達原価(同じ建物を建てた場合の費用)を求めてから、築年数に応じて減価するもので、リフォームなどによる建物の使用価値が異なっていても、それが反映されにくいという側面がある。
そこで指針として、住宅を基礎・躯体(くたい)部分と内外装・設備部分に大きく分類して再調達原価を算出し、住宅の各部位の特性に応じて使用価値を把握したうえで減価修正を施し、それらを合算して建物全体の価値を導き出す方法を提示した。併せて、耐用年数の考え方や減価修正のやり方を具体的に指針に盛り込んでいる。
また、宅地建物取引業者が物件の査定をする際に用いる「既存住宅価格査定マニュアル」を、指針の考え方を反映した改訂を行う必要があることにも言及している。
「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針の考え方」
→ 価格査定マニュアル改訂の背景については、「国土交通省・最新の動き」vol.45、vol.60、vol.65 も参照ください。
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