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VOL.44「民泊新法(住宅宿泊事業法)」民泊新法施行で普及が進むのか、ブレーキがかかるのか 執筆:住宅ライター/大森広司

2018年06月20日

民泊サービスの新しいルールである住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が、2018年6月15日に施行された。民泊新法の施行で、民泊はどうなっていくのだろう。

民泊に関する3つの制度比較

民泊に関する3つの制度比較(出典:国土交通省HPより抜粋)

民泊の市場整備を目指して
新ルールがスタート

民泊とは、住宅の全部または一部を宿泊施設として旅行者などに提供し、対価を得るサービスのこと。海外を中心に空き部屋を活用したいオーナーと、割安な宿泊施設を求める利用者をマッチングするビジネスがインターネットで急速に普及し、日本でもサービスを提供する個人や事業者が増えている。


ただ、日本ではこれまで、民泊を提供するには旅館業法による簡易宿所の許可を得る必要があった。しかし同法では住居専用地域での営業が認められないなどハードルが高いこともあり、許可を取らずに営業する「ヤミ民泊」が後を絶たない状況となっている。国では急増する外国人訪日客への対応などを目的に2013年成立の国家戦略特区法により、特定の自治体での民泊の規制を緩和(特区民泊)。さらに2017年6月には全国的に届出による民泊サービスを可能とする民泊新法を成立させた。


民泊新法では、サービスにかかわる事業者を「住宅宿泊事業者(事業者)」「住宅宿泊管理業者(管理業者)」「住宅宿泊仲介業者(仲介業者)」の3つに分けている。このうち事業者、つまり住宅の提供者は都道府県知事等への届出が必要となる。年間で営業できる日数は180日(泊)が上限とされており、地域の実情を踏まえて自治体が条例により上限の日数を短くすることも可能だ。


また、民泊新法では民泊サービスを適正に営むため、事業者に対し衛生確保や宿泊者への騒音防止の説明、近隣からの苦情対応、宿泊者名簿の作成・備え付けなどを義務付けている。また家主が住んだまま住宅の一部を提供する「家主居住型」と、家主が住んでいない状態の「家主不在型」に分け、後者の場合は上記の措置を管理業者に委託することが義務付けられる。なお、管理業者は国土交通大臣の、仲介業者は観光庁長官の登録が必要だ。



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