トップ>話題の不動産キーワード>VOL.1 エコ住宅:省エネ・創エネ住宅を中心に、幅広く使われている「エコ住宅」
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2012年4月18日
写真:積水ハウス(株)のエコ住宅「グリーンファースト」の外観の一例。景観にも配慮した瓦一体型の太陽光発電システムを備えたり、家庭用燃料電池エネファームを搭載するなどして、快適な暮らしとCO2排出量の大幅な削減を可能にする省エネ・創エネ住宅となっている。
環境問題への関心が高まりつつあったところへ、東日本大震災後は節電意識が拍車をかけ、住宅の省エネ化の取り組みが進んでいる。住宅エコポイントの復活やフラット35Sエコの登場などもあって、住まいづくりでも、「エコ」が見逃せないキーワードになっている。
一口に「エコ住宅」といっても、これといった定義があるわけでない。「地球環境に負荷をかけない住宅」といった意味合いで、広範囲に使われているのが実態だ。基本的には、住宅内で使用する冷暖房や給湯のエネルギー消費を抑えることが、最低限の条件となるだろう。 そのためには、少なくとも次の条件を満たすことが必要だ。
(1)住宅の性能として省エネ性能が高い(高断熱・高気密住宅である)こと
まずは、住宅そのものが外気の暑さ寒さの影響を抑え、室内の温度を保てるようになっている必要がある。それには、住宅の壁や床、天井といった居室を囲む構造部分をしっかりと断熱し、隙間風が入らないよう気密性を高めるとともに、窓にエコガラスを使用するなど開口部の断熱性を高めることで、住宅内外の熱の出入りを抑える構造であることが条件となる。 注)寒冷地や温暖地などの居住地域や木造や鉄筋コンクリートなどの住宅の構造によって、省エネ性能に違いがある。
(2)省エネや創エネの機器を備えること
住宅内のエネルギー源である電気やガスで、省エネ性の高い給湯機器を使用していることも大切なポイントだ。具体的には、熱効率を上げることで少ないエネルギーで給湯する「エコキュート」(電気)や「エコジョーズ」(ガス)などの省エネタイプの機器を設置したり、家庭用燃料電池「エネファーム」やガスでエンジンを動かす「エコウィル」などの給湯と発電を同時に行う機器を設置することが基本的な条件となる。さらには、省エネタイプのエアコンやLED照明などの省エネ家電を設置することなども含まれる場合がある。
また、従来の創エネ機器である「太陽光発電」にも関心が集まり、電気を消費する一方で発電も行い、ゼロエネルギーを目指す住宅なども登場している。今後は、畜電池を備えた「畜エネ」機器も採用が増えると見込まれている。
ほかにも、自然素材を使った住み手の健康に配慮した住宅をエコ住宅と呼ぶケースや、地域産材を使用した住宅、長期的に使用可能な住宅をエコ住宅と呼ぶケースもあり、様々な場面でエコ住宅という用語が使われている。
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