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VOL.16「フリーレント」賃料無料期間付きのフリーレントのメリット・デメリット 執筆:住宅新報論説主幹/本多信博

2013年10月16日

フリーレントをうたった不動産広告の例

    フリーレントをうたった不動産広告の例

賃貸住宅市場では空室対策の一つである「フリーレント」が増加傾向にある。当初1~3ヶ月の賃料が無料という魅力的制度だが、あとからトラブルになったりしないのかと不安を抱く人も多い。〝タダほど怖いものはない〟とまではいわないが、契約の前には慎重さも必要だ。


フリーレントの魅力と注意点とは?

フリーレントが増える賃貸市場

フリーレントとは、入居後当初一定期間の家賃を無料にすること。従来はオフィス市場などで一般化していたが、近年は賃貸住宅市場でもかなり普及してきた。背景はいうまでもなく、空室の増加・長期化傾向である。

空室対策には、(1)家賃引き下げ、(2)礼金・敷金の減額、(3)リフォーム(リノベーション)などいろいろあるが、(1)は既存入居者との間に不公平が生まれる、(2)は入居者レベルが低下するなどのリスクがある。
その点、フリーレントなら賃料自体は下げずに入居者を確保できる点がオーナーにとって最大の魅力。入居者にとっても、当初の賃料が不要となれば、入居時に必要となる一時金が減少するため、入居しやすくなる。

入居者が注意すべき点

賃貸住宅のフリーレント期間としては、1~3ヶ月が一般的。入居者が注意しなければいけない点は、一定期間の賃料を無料にしてもらえる代わりに、中途解約が制限されているケースもあるという点だ。つまり、フリーレントなしの通常の賃貸借契約では、入居者からの中途解約は1~3ヶ月前に通知すれば認められる特約条項が設けられている。しかし、フリーレントを導入した場合には通常、フリーレント中も含め契約期間中は中途解約できない契約内容になっていることが多い。フリーレントが終了した途端に退去されたら、家主としてはかなわないからである。

したがって、契約期間が1年なのか2年なのかを確認するとともに、どうしても解約しなければならなくなったときには、どれぐらいのペナルティ(損害賠償金)を支払わなければならないのかも確認しておく必要がある。
ちなみに、借家法では、契約期間中は貸主、借主双方に契約履行の義務があるため中途解約はできないのが原則で、借主からの解約は特約により予告期間を設けて認めるようにしているのが一般的である。



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