トップ>話題の不動産キーワード>VOL.30 古民家再生:日本の伝統建築がもつ風格や味わいが魅力
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2016年02月17日
築80年超の古民家を再生した事例 (協力:YUUA建築設計事務所、撮影:筆者)
日本の伝統的な住まいのよさが見直され、最近「古民家」が静かなブームになっている。古い住宅の趣を残しながらも、今の時代に快適に暮らせるように改修を施して、住宅や宿泊施設、カフェやギャラリーなどの商業施設として活用する事例が増えている。古民家の魅力は、どこにあるのだろう。
「古民家」といえば、古い日本の伝統的な建築工法で建てられた住宅ということになるが、どこまで古いかについて明確な定義はない。一般的には、建築後50年以上経った民家であれば、古民家と呼んでいる事例が多いようだ。
ひとくちに古民家といっても、古い農家もあれば、庄屋屋敷のような大きなもの、職住を兼ねた町家などさまざまあり、その土地の風土や先人たちが受け継いできた暮らし方に根差した独自の建築様式がある。
古民家に共通するのは、伝統的な建築構法の風格ある外観や、骨組となる太い木材の柱や梁、漆喰壁などが醸し出す温もりのある雰囲気などで、落ち着きや味わいといったものが感じられることだろう。 建築当時は地産地消による自然素材が使われていたのも特徴で、環境にも優しく、周囲の自然と調和した街並みといった点も魅力のひとつだ。
こうした古民家の魅力に惹かれて再生したのが、YUUA建築設計事務所の相原まどかさんと山﨑敏幸さん夫妻だ。当初は自宅兼事務所を新築しようと土地を探していたが、古家として建っていた古民家を見て、取り壊さずに快適に暮らせるようにリノベーションすることに決めた。
昭和初期に、和菓子屋として建築された築80年超の古民家の外観は、商家(店舗兼住宅)建築の典型の一つで、軒が前面に大きく張り出した「出桁(でげた)造り」になっていて、実に威風堂々としている。
ただし、古民家を再生するには、さまざまな課題もある。相原さんと山﨑さん夫妻は、どのように課題を乗り越えていったのだろうか。
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