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VOL.49「リバースモーゲージ」シニア世代が自宅を担保に資金を借り入れ 執筆:住宅ライター/大森広司

2019年04月17日

シニア向けのローン商品として「リバースモーゲージ」の注目度が高まっている。その仕組みや種類、利用する場合の注意点などをまとめた。

民間のリバースモーゲージとリ・バース60の特徴

リバースモーゲージの主な特徴(筆者作成)


死亡時に相続人が物件売却などで借入元金を一括返済

リバースモーゲージとは、自宅を担保に金融機関から資金を借り入れるローン商品のこと。住宅ローンと異なるのは、借りた人の死亡時に相続人が借入元金を一括返済する仕組みであることだ。借入期間中は元金を返済する必要はなく、月々の利息のみを返済するケースが一般的となっている。


このリバースモーゲージは主に自宅の住宅ローンを完済したシニア世代向けに商品化されたものだ。まとまった資金を借り入れ、自宅のリフォームや旅行費用、高齢者住宅への住み替え資金などに充てることを想定している。


また住宅ローンの借り換えに利用するケースもある。リバースモーゲージの金利は3%前後と住宅ローンより高めだが、元金の返済が据え置かれるので月々の返済負担が軽くなることが多いためだ。



民間は一戸建てのみを対象とするケースが少なくない

民間の金融機関でリバースモーゲージを扱うケースが増えてきている。国土交通省の調査によると、リバースモーゲージを扱っている金融機関は6.5%だが、商品化を検討中の金融機関も6.1%にのぼっている(「平成30年度民間住宅ローンの実態に関する調査」より)。


民間のリバースモーゲージの特徴は、資金使途が基本的に自由であることだ。ただし事業資金や投資資金は対象外としているケースがほとんどとなっている。


対象となる自宅は一戸建てのみとしているケースが少なくない。リバースモーゲージは融資期間が何年になるかわからないため、老朽化する建物は除外して土地のみの担保評価額を基準に融資額を決める金融機関が多いためだ。


自宅を担保にするときには、貸越極度額の範囲内で何度でも融資が可能な根抵当権を設定し、担保評価額の60%程度を限度に融資するケースが一般的だ。ただし値下がりリスクを避けるため担保評価額は定期的に見直し、評価額が下がると融資限度額も下がる仕組みとしている場合が多い。



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