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VOL53「ホームステージング」ホームステージングで売買や賃貸の成約を早期化 執筆:住宅ジャーナリスト/山本久美子

2019年12月18日

家を売却したり賃貸したりする場合、“できるだけ高くできるだけ早く”成約してほしいと思うもの。それには、見学に来た人がここに住みたいと思うような印象を与えることが大切だ。そこで、いま住宅業界で注目されているのが、ホームステージングの導入だ。

(一社)日本ホームステージング協会が開催した第4回ホームステージングコンテスト受賞作品より、ホームステージングTOKYO・中林利恵子さんの事例(売買部門)

(一社)日本ホームステージング協会が開催した第4回ホームステージングコンテスト受賞作品より、ホームステージングTOKYO・中林利恵子さんの事例(売買部門)


売買や賃貸で早期成約などに活用されるホームステージング

ホームステージング(Home staging)とは、住宅を売却したり賃貸したりする際に、室内を家具やインテリアなどでディスプレイして魅力的に演出することだ。アメリカでは一般的に行われていて、住宅の売買や賃貸などの取引に限らず、個人が結婚式やホームパーティーなどを開く際に、自宅のディスプレイをホームステージングの専門業者に依頼することが行われている。


日本でも、なかなか売れない住宅や入居者が決まらない空室などの対策として、ホームステージングが注目されるようになってきた。ホームステージングのメリットは、室内空間でどういった生活が送れるかを具体的にイメージさせることで、買い手や借り手が早く見つかったり、価格や賃料を高めに設定できたりすることにある。


(一社)日本ホームステージング協会が公表した「ホームステージング白書 2018年」では、導入前の空室期間や導入後の成約期間、ホームステージングに要した費用の平均値を出している。それを見ると、空室期間が1ヶ月程度になった販売物件が、22万円程度のホームステージングを導入すると2ヶ月程度で成約し、在宅中で2ヶ月以上成約しない販売物件が、7万円程度のホームステージングを導入すると1ヶ月程度で成約したことになる。 なかでも効果が大きいのが賃貸で、3ヶ月程度借り手が決まらない物件が、ホームステージングを導入すると1ヶ月程度で成約し、導入後の家賃も平均して約1,300円上がる結果だったという。賃貸でホームステージングを導入する事例はまだそれほど多くないので、暮らしをイメージさせる効果が大きいということなのだろう。


ホームステージングに要した費用

こうした背景を受けて、最近では、仲介会社が既存(中古)住宅の売り主にホームステージングを提案するようになってきた。売り主が専属専任・専任媒介など自社だけに仲介を任せる契約を結ぶことを条件に、価格や築年数、面積などの一定の条件を満たす場合に限って、無料でホームステージングのサービスを行う仲介会社も登場している。



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