トップ>話題の不動産キーワード>VOL.56 マンション管理計画認定制度:地方公共団体がマンションの管理計画を認定する制度
※記載内容は、情報公開時点の執筆者による情報等に基づいています。
2022年4月20日
管理組合が地方公共団体に認定を申請する流れ(出典:国土交通省の資料を基に作成)
では、どのように認定を申請することになるのだろうか?申請方法は複数あるが、基本となるのが「管理計画認定手続支援サービス」を提供する「マンション管理センター」を通じて申請する方法だ。認定の手続きは、冒頭の図の流れの数字順に、オンライン上で行われる。
管理組合が直接マンション管理士に事前確認を依頼し、その結果をマンション管理センターに通知して申請する方法や、マンション管理センターを通さず(管理計画認定手続支援サービスを使わず)に、管理組合が直接地方公共団体に申請をする方法もある。
ほかにも、他の制度と併用して同時に申請する方法もある。その一つが、マンション管理業協会の「マンション管理適正評価制度」(2022年4月からスタート)と同時に申請するもので、管理会社を通じて、管理計画認定手続支援サービスを使って申請する方法だ。もう一つが、日本マンション管理士会連合会の「マンション管理適正化診断サービス」と同時に申請するもので、マンション管理士を通じて、管理計画認定手続支援サービスを使って申請する方法だ。
マンション管理センターの手続支援サービスを利用する場合、その利用料として1万円(税込)とマンション管理士などに事前確認の審査料(審査先により異なる。2022年度は無料になる場合もある)が必要となる。他の制度も申請する場合は、それぞれ別途費用が必要になる。
また、認定を受けたとしても、5年ごとに更新する必要もある。
それでも、自分たちのマンションが認定されれば、「適正に管理されたマンションであることが市場において評価される」といったことがメリットとして期待される。加えて、金融面でのインセンティブも用意されている。
「フラット35」(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する、長期固定金利型の住宅ローン)は、2022年4月以降段階的に制度変更をすることになっている。特に、「フラット35」の金利引き下げについて内容が大きく変わる。その一環として、「管理計画認定マンション」が対象に加わる。
4月に創設された「フラット35維持保全型」は、維持保全や維持管理に配慮した住宅などを取得する場合、当初5年間金利を0.25%引き下げる。対象は次の通り。管理計画認定マンションは国の認定制度によるものだが、これとは別にマンション管理センターが新築マンションの管理状況を認定する「予備認定制度」も始まり、そちらも対象になる。
出典:住宅金融支援機構の資料を基に作成
なお、10月以降に「フラット35」の金利引き下げ方法などは、ポイント制度が導入されるなどの大幅な変更が予定されている。
マンション管理計画認定制度の環境が整ったとはいえ、普及するにはまだしばらく時間がかかると見込まれる。
まず、地方公共団体が「マンション管理適正化推進計画」を作成する必要があるが、4月1日までに作成するとした地方公共団体はまだ少ない。2022年度中やそれ以降に作成するとしている地方公共団体が多いので、作成を待つ必要がある。また、区域内にはマンションが少ないといったことで、「マンション管理適正化推進計画」を作成しない地方公共団体もあるだろう。
次に、マンションごとに認定の申請を決めるのが、管理組合の総会決議とされている。総会自体は一般的に1年に1回しか開かれないので、管理組合側が認定制度を理解して、申請に合意形成することにも時間を要する。
こうした事情からマンション管理計画認定制度が普及するかどうかは、しばらく見守る必要があるだろう。
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