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VOL52「全国版空き家バンク」空き家増加の抑制に「全国版空き家バンク」への期待高まる 執筆:住宅評論家/本多信博

2019年10月16日

「全国版空き家・空き地バンク」サイト(アットホーム)

「全国版空き家・空き地バンク」サイト(アットホーム)

全国版の登場で活用促進へ
LIFULLとアットホームがモデル事業者に

各自治体が運営している「空き家バンク」の開示情報を統一標準化し、全国どこからでも簡単にアクセスできるようにした「全国版空き家・空き地バンク」(以下「全国版バンク」)が正式に開設されたのは18年4月。国土交通省の公募によって選定されたLIFULLとアットホームというポータルサイトがそれぞれの工夫を凝らしたサイトを運営している。国土交通省によれば19年2月時点で両サイトを合わせると全国603の自治体が参加しており、延べ9000件を超える空き家情報が掲載されている。成約に至った物件は累計1900件を超えている。今後もさらに、参加自治体・登録件数は増加していきそうである。
というのも、自治体にとっては〝全国版バンク〟の登場によって、「空き家バンク」に当初から期待していた定住人口の増大という狙いがより叶えやすくなったからである。当然だが、移住希望者にとっては〝全国版〟の登場により、移住候補先を、県をまたいで検索することができるようになった。ということは、自治体側からすれば、より多くの人たちに当該県の物件や魅力をアピールすることができるようになってきたといえる。


「全国版バンク」の情報がさらに充実
地域の活性化が進むことに期待

国土交通省は「全国版バンク」の活用をさらに促進するため、掲載情報の充実と機能強化に努めている。例えば、今年1月からは、全国に点在する公的不動産(廃校や職員宿舎跡地など)についての情報コーナーを設置している。つまり、全国の自治体が公募している公的不動産の一覧表を掲載し、それらの活用を検討する事業者に提供している。一次的には事業者向けの情報だが、一般ユーザーにとってもその地域にどのような資源があるのかが分かって興味深い。


また、今年4月からは、空き家などを活用して移住・定住を考えている人に、各自治体が用意している各種支援制度に関する情報も充実しつつある。住宅(空き家)購入にかかわる奨励金、子育て応援手当、住まいを探す経費補助などである。
さらに、「全国版バンク」では、空き家情報に加え、その物件周辺のハザード情報や地形情報、生活支援情報などを検索できるようにもなっている。まさに、空き家を取得しようとするユーザーにとっては欠かせない各種情報が整備されつつあるわけで、「全国版バンク」は「不動産総合データベース」に進化しつつあるといってもいいのではないだろうか。


最後に、「全国版バンク」を利用する際の注意点について、簡単に説明しよう。
モデル事業者としてサイトを運営しているLIFULLとアットホームの2社は不動産取引には介在せず情報のみの提供である。従って仲介業者を介さずに直接相手側と交渉することもできる。ただし、一般的には不動産会社を介したほうが契約をめぐるトラブルを避けるためには賢明である。
また、〝全国版〟といえども、各自治体の空き家バンクに掲載されている物件がすべて掲載されているわけではないこと、2社のサイトには同じ物件なのに、やや違うニュアンスで情報が掲載されることもあるなどに注意する必要がある。
とはいえ、「全国版バンク」は国土交通省が立ち上げた制度で、同省が選定した事業者が運営しているサイトだけに信頼度が高いことは間違いない。同バンクの活用によって地域の活性化が進むことを期待したい。




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