トップ>話題の不動産キーワード>VOL.42 レインズの「取引状況(ステータス)管理」:売り主が知っておきたい「取引状況(ステータス)管理」とは?
※記載内容は、情報公開時点の法令並びに執筆者による情報に基づいています。
2018年02月21日
公益財団法人東日本不動産流通機構による「ステータス管理」説明書類より引用
売り主が確認することのできる情報は、自らの物件に関してレインズに登録されている物件情報(主要項目の文字情報)、登録図面のPDF(登録されている場合のみ)、取引状況の設定内容(取引状況の補足を含む)だ。取引状況に関しては、「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類のうちいずれか(および補足情報)となる。
専任媒介契約または専属専任媒介契約によって一戸建て住宅、マンションなど不動産の売却を宅地建物取引業者へ依頼したとき、その物件情報はそれぞれ一定期間内にレインズに登録される。それに対してシステム側から発行されるのが「登録証明書」であり、これは売り主(売却依頼主)へ渡される証明書だ。
登録証明書の最下段に登録内容確認のためのURL、確認用ID、パスワードが記載されており、売り主はこのIDなどを使ってインターネット上の「専用確認画面」にアクセスし、自分自身の物件に関する登録内容などを確認することができる。なお、「一般媒介契約」でもレインズに登録されるケースは多いが、この場合はステータス管理の対象にはならず、売り主への専用画面も用意されないことに留意しておきたい。
ステータス管理によって宅地建物取引業者に設定が義務付けられる「取引状況」について、少し詳しくみておこう。
まず「公開中」とは、原則として他の宅地建物取引業者による顧客への物件紹介を拒否できないとするものだ。ただし、現地案内が可能な曜日などの条件を「取引状況の補足」欄に設定することはできる。
「書面による購入申込みあり」は実際に購入希望者からの申し込みがあったものだ。この場合、紙の購入申込書などに限定せず、電子メールやwebサイトを通した申し込みも含まれる。「売主都合で一時紹介停止中」は、売り主の意向または売り主の了解を前提に表示できるものであり、「取引状況の補足」欄には売り主の承諾を得たうえで、その期間や理由などを記載することになる。
いずれにしても、購入申し込みがあれば速やかに売り主へ報告されることが当然であり、何も報告がないままで「書面による購入申込みあり」となっていれば、何かおかしいことに売り主自身が気づくはずだろう。自ら申し出た記憶もないのに「売主都合で一時紹介停止中」となっている場合も同様だ。なお、状況変更が生じてから実際にその内容が登録されるまでのタイムラグがあることには留意しておきたい。
ステータス管理の導入によって、あからさまに不正行為をする宅地建物取引業者は少なくなっただろうが、売り主(売却依頼主)も一定の注意は欠かせない。一定期間ごとに「専用確認画面」へアクセスし、自分自身の物件が適正に取り扱われているかどうかをチェックしよう。
→ 詳しくは公益財団法人東日本不動産流通機構の「売却依頼主物件確認案内書」を参照
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