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VOL.37「都市ガス小売り自由化」家庭のガスも選べる時代へ 執筆:不動産コンサルタント/平野雅之

2017年04月19日

電力小売り・都市ガス小売り「段階的自由化」の経緯

電力小売り・都市ガス小売り「段階的自由化」の経緯

自由に選ぶことができるようになったのは
一部の世帯だけ!?

1年前の電力小売り自由化に比べて、都市ガス小売り自由化はあまり話題になっていない印象も強いだろう。電力はほぼ全国が対象だったのに対して、都市ガスを使用している家庭はおよそ2,400万世帯にとどまるためだ。ガス使用世帯のうち約半数をプロパンガス(LPガス)が占めるほか、ガスを使わない「オール電化」の住宅も相当数ある。


さらに、電力はほぼ全国がネットワークで繋がっているうえ、電力の卸取引による調達も可能なため、小売市場への新規参入は比較的ハードルが低い。それに対して、既存の都市ガス事業者は全国に約200社が存在し、それぞれが供給区域を独占している。異なる事業者のガス管同士が接続されているのは一部にとどまり、大半は分断された市場だ。都市ガスを小売りするためには、区域ごとにガス供給施設を設けなければならないため、新規参入が可能な市場は限られるだろう。


大都市圏では大手電力会社が「電力と都市ガスのセット販売」を手掛けるなど、今後は既存ガス会社との間で競争も激しくなるだろうが、当面は地方圏などで「ガス会社を自由に選べない」世帯が数多く残されるかもしれない。隣接する区域のガス会社同士でガス管を接続する動きも加速しつつあり、これから数年かけて徐々に「ガス会社を選べる」区域が広がっていくことになりそうだ。


プロパンガスからの切り替えは? アパート・マンションは?

周囲には都市ガスが供給されているのに、自分の家だけプロパンガス(LPガス)のままというケースもあるだろう。これを都市ガスへ切り替えるためには、ガスの引き込み工事が必要で費用負担も発生する。ガス機器の調整や交換もしなければならない。ガス管が敷設されている道路との間に距離があるときには、100万円以上の自己負担を求められることもある。


賃貸アパートやマンションでも、すでに都市ガスを使用していて個別のメーターがあれば、ガス会社の乗り換えは問題なくできる。ただし、今後は入居時に契約先を指定される可能性もあるので注意が必要だ。その一方で、プロパンガスを使用しているアパート・マンションでは、たとえ隣の建物で都市ガスを使っていても、原則として切り替えはできないと考えるべきだろう。



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