トップ>話題の不動産キーワード>VOL.31 電力小売り自由化:電力会社を一般家庭が選べるようになり、競争が激化
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2016年04月20日
電力会社を切り替えるためには、スマートメーターの設置が前提となる
電力の販売には既存の電力会社、業務用電力の販売で実績のある新電力会社だけでなく、都市ガス会社や石油元売り会社、通信会社、鉄道会社、旅行会社など、さまざまな企業が直接、あるいは子会社を通じて乗り出している。また、太陽光発電などによるエネルギーの「地産地消」を目指して、自治体が電力販売事業に取り組む動きも広がっている。
さらに、各種ポイントカードとの提携、ガソリン代の割引、携帯電話・スマートフォンやインターネット回線とのセット販売、ケーブルテレビ加入や旅行あるいは通勤通学定期券とのセット割引、都市ガスやLPガスとの一括契約など、付加サービスの内容も多種多様だ。
これらを選ぶ際に毎月の電気料金の安さを考えることはもちろんだが、どの「小売電気事業者」の、どのプランが有利なのかは、それぞれの家庭における電力使用量によって異なる。さらに、電力契約とセットになるサービスが自分にとって必要なものなのか、ポイントサービスの使い勝手はよいかなど、検討するべき内容は多い。民間の比較サイトなども活用しながら、じっくりと検討することが必要だろう。
ただし、全体的には「電気を多く使う家庭向け」を重視したプランが多く、電力使用量が少ない家庭、あるいはこれまで深夜電力やオール電化住宅向けの割引プランが適用されていた家庭では、従来の契約をそのまま継続したほうが有利なケースもある。また、これから発表される新プランも考えられるほか、2017年4月に予定される「都市ガス小売り自由化」を踏まえた動きもある。そのため、契約先の変更を急ぐ必要はなく、しっかりと見極めたうえで行動を起こしても遅くない。
他のサービスとの「セット契約」では、契約年数の縛りや解約時の規定など契約条件が複雑になりかねないため、これらを事前にしっかりと確認しておくことが大切だ。一部では訪問販売や電話営業による悪質な売り込み事例も発生しているようであり、今後ますます増加することも懸念される。不審な売り込みには応じないよう、家族などに注意喚起しておくことも欠かせない。いずれにしても「電力会社を選ぶ」という行為は、ほとんどの人にとって初めての経験だ。戸惑う部分もあるだろうが、積極的に情報収集をして少しでも有利なものを選びたいものである。
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