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VOL.29「入居者も負担して賃貸住宅を改装する」新しい借り方 執筆:住宅ライター/大森広司

2015年12月16日

借主負担DIY型賃貸の仕組み

借主負担DIY型賃貸の仕組み

工事内容や退去時のルールについて
事前に合意することが重要

借主負担DIY型賃貸には、借り主と貸し主の双方にメリットがある。まとめると、以下のとおりだ。

〈借り主のメリット〉

・持ち家のように自分の好みで模様替えできる。
・自己負担でDIYをするので賃料が安くなる。
・退去時に原状回復の費用を支払わなくてよい。

〈貸し主のメリット〉

・修繕費用を負担せず、現状のまま家を貸すことができる。
・借り主がDIY費用を負担するので、長期間住んでくれる可能性が高い。
・貸出時よりも設備などの価値が上がれば、家賃が維持されやすい。


このようにメリットの多い借主負担DIY型賃貸だが、普及し始めたばかりの仕組みなので、注意すべき点も少なくない。まず賃貸契約を結ぶ際に、工事の内容や実施方法などについて貸し主・借り主の双方で十分に確認し、書面に残すことが重要だ。工事実施後には施工状態の確認も求められる。


DIYを実施する場合の確認事項

※国土交通省「個人住宅の賃貸活用ガイドブック」より

また借り主が設置した設備などについて、貸し主と借り主のどちらに所有権があるのかも、契約時に取り決める必要がある。借り主に所有権があるとした場合でも、退去時には設置したままとし、貸し主に設置費用などの支払いを求めないとするケースが一般的になると考えられる。仮に借り主が中途で解約して退去する場合でも、費用の請求はできないことを事前に確認しておくことが有効だ。


ただし契約内容によっては、退去時に設備の設置費用などを精算する取り決めにする場合も考えられる。その場合は、いつ退去するとどのくらいの金額が借り主に支払われるのかといったルールについて、事前に合意してから契約することが望ましい。


こうした借主負担DIY型賃貸は「改装可能な賃貸物件」などとして、民間の物件情報サイトなどで専門コーナーを設けるなど、徐々に利用が広がりつつある。貸し主や借り主にメリットがある新しい賃貸契約が、空き家問題解決の手がかりにもつながることが期待されている。


)DIY賃貸、カスタマイズ賃貸と呼ばれる、借り主が模様替えをできる賃貸住宅が増えていますが、借り主が手を入れられる範囲や誰が費用を負担するのかなどは、個別物件によって異なりますので事前に確認するようにしてください。



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