トップ>話題の不動産キーワード>VOL.21 コンセプト型賃貸:シェアハウスのコンセプト化は時代を救うか
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2014年8月20日
シェアハウスでは、入居者同士の交流が盛ん(撮影:筆者)
趣味、多世代交流など シェアハウスもコンセプト化
近年、急速に脚光を浴びるようになった賃貸住宅が「シェアハウス」である。その人気ぶりは、年々勢いを増している(グラフ参照)。リビングやキッチンなどの共用スペースを充実させて、入居者同士の「交流」を重視するシェアハウスは、そのこと自体が一つのコンセプトである。 だが、最近は高齢者や母子家庭と若者世代との交流を狙った多世代交流型や、山登りを趣味とする人に限定したもの、音楽愛好家向け、ダイエットを目的にしたものなど、シェアハウスもコンセプト化が進んでいる。
中でも注目すべきは、〝雇用創出型〟である。入居したシングルマザーにシェアハウス共用部の清掃を委託しているもの、あるいはシェアハウスを拠点に周辺の共働き世帯や高齢者世帯向けに「家事代行ビジネス」を立ち上げた例もある。今後の可能性としては、高齢者が現役時代の腕を生かし、シェアハウスを舞台に起業するというアイディアも考えられる。例えば、元板前さんなどが週に1回料理教室を開くとか…。 地元商店街と連携して、昔の〝御用聞き〟を復活させるなどの企画を検討しているシェアハウスもある。日本はこれから、世界のどの国も体験したことがないような超高齢社会に突入していく。2030年には、推計で単独世帯が全世帯の37%になるなど、地域コミュニティーの弱体化も懸念されている。そうした中、地域に密着して地元の活性化に貢献できる力を秘めたシェアハウスは、地元の不動産会社にとっても、大いに注目すべき居住形態といえるのではないだろうか。
単独(単身)世帯増加も背景に 住まいに多様なニーズ
出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」平成25年1月推計
日本はすでに単独世帯が全世帯数の32%にも達して、5タイプに分けた場合のシェアは最も大きい(表参照)。2030年には37%にも達する見込みだ。単独世帯に一戸建ては不向きだし、新たに居を構えるなら賃貸で十分ではないか。特に今後は高齢者が自宅を貸して、多世代との交流をコンセプトにしたような賃貸住宅に住み替えるニーズが増大してくるのではないか。 単独世帯の内訳も高齢者、晩婚化で増大中の未婚世帯、離婚者、生涯独身者と多様化している。多様化により、単独世帯の賃貸住宅に対する需要も多様化し、賃貸住宅のコンセプト化はその意味でも今後は賃貸市場の主流となっていくはずである。
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