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※記載内容は、情報公開時点の法令並びに執筆者による情報に基づいています。

VOL.10 リノベーション住宅 中古住宅を新築並に再生して販売 執筆:不動産コンサルタント/大森広司

2013年1月16日

昭和43年築の中古マンションが、リノベーションによって新築と同等の空間に再生

昭和43年築の中古マンションが、リノベーションによって新築と同等の空間に再生される(写真提供/インテリックス)

基準を満たす「適合リノベーション住宅」を
業界団体が規定

最近では、不動産会社や工務店、設計事務所など様々な事業者がリノベーション住宅を手がけるようになったが、工事の質や保証体制などはケースによりまちまちなのが実情だ。そこで、事業者の団体である一般社団法人リノベーション住宅推進協議会が2009年7月に発足し、優良なリノベーションの品質基準づくりに取り組んでいる。

具体的には、一定の基準を満たすリノベーション住宅を「適合リノベーション住宅」として定めるというものだ。適合リノベーション住宅には「R1住宅」~「R5住宅」の5種類があり、このうちR1住宅が区分所有マンションの専有部、R3住宅が一棟建物、R5住宅が一戸建てとなっている。買取再販型が多いのはR1住宅とR3住宅だ。

「適合リノベーション住宅は、給排水管や下地など表面からは見えにくい部分について、協議会が定めた13項目の検査を受け、必要に応じて改修工事を行います。この検査と工事内容については事業者が報告書を作成し、引渡日から最低2年間のアフターサービス保証を付けるルールです。さらにリノベーションの内容が分かる平面図や仕様書などは、住宅履歴情報として協議会のサーバーに保管されます。R1住宅についてはどんな検査が行われるかを写真付きで分かりやすくまとめたガイドブックも作成しており、協議会のホームページからどなたでもダウンロードできます」(リノベーション住宅推進協議会事務局長・樽宏彰氏)

この適合リノベーション住宅を探すには、協議会のホームページに掲載されている物件情報から、エリアや価格などで絞り込んで検索できる。また一部の物件情報サイトでも、適合リノベーション住宅を探せるケースがある。検査に始まり報告や保証までの一連のフローにおいて統一規格に準じる、こうした取り組みが広がれば、一定の質が確保されたリノベーション住宅を手に入れやすくなるだろう。




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