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不動産基礎知識:住まいを買い替えるときの流れ

住まいを買い替えるときの流れ

「買い替え」とは、今の住まいの「売却」と新居の「購入」をセットで行うことです。基本的には「購入」と「売却」、それぞれ流れに沿って進みますが、「買い替え」の際には特に注意すべきポイントがいくつかありますので、そのポイントを見ていきましょう。

ポイント1 買い替え資金を確定させる

「買い替え」の目的は、安全・確実に新居を購入し、新たな生活をスタートさせることです。その意味では、今の住まいの「売却」は、通過点でありながらも新居の購入のための第一歩であり、資金計画において大きなウエイトを占めるものです。まずは、「買い替え資金」の把握からはじめましょう。

買い替え資金の図

売却資金(売却で得られた手取資金)

売却資金の把握で重要なのは、売却代金の目安となる査定価格です。周辺の売買事例などにも左右されるため、その地域に精通した信頼できる不動産会社に売却不動産の価格査定を依頼しましょう。査定のプロセスや価格の根拠を明確に説明してもらうことも重要です。査定価格についても手堅いものかどうか、慎重に見極めることが大切です。また、今の住まいの住宅ローンの残額や、購入時の領収書(売却に関する税金の試算で必要)などを確認し、不動産会社の担当者に「買い替え資金」について相談しましょう。今の住まいの「売却益」が出る場合、「買い替え」にかかる税務上の特例などもありますので、税理士など専門家への相談も必要な場合があります。

→ 「売る:3-3.物件の価格査定を依頼する」を参照
→ 「売る:4-1.売却前に確認すること」を参照

自己資金(追加する資金)

預金や財形貯蓄などを追加する場合や、親から資金援助を受けられる場合など、あらかじめ家族で話し合って決めておくことが大切です。

→ 「買う:4.予算を決める」を参照

新規住宅ローン

今の住まいの住宅ローンが残っている場合、一旦返済して新たな住宅ローン(新規)を利用することとなり、ローン残額や新規の利用額が「買い替え」のスケジュールに影響する場合があります。また、金融機関によってもその対応が異なる場合がありますので、注意が必要です。
注)住宅ローンはあくまで自己居住のために用意されたものです。新居を購入してこれを自宅とした場合、以前の住まいは自己居住用の自宅とはならず、住宅ローンを返済することが一般的です。

→ 「買う:7.資金計画を立て、住宅ローンを選ぶ」を参照

ポイント2 先行売却か?先行購入か?スケジュールを確定させる

「買い替え」には、「先行売却」と「先行購入」のふたつの方法があります。家族の事情や今の住まいの特徴などによって、どちらの方法が適しているかを判断する必要があります。このふたつの方法のメリット・デメリットを理解しましょう。

「先行売却」とは

「買い替え資金」のうち大きなウエイトを占め、かつ不確定要素の強い「売却資金」を最初に確定させることを目的として、先に今の住まいを売却する方法です。基本的には「売却」を済ませるまで「購入」には進みません。「資金計画の安定」など、資金確保を重視する場合の方法です。ただし、「売却」が決まった後にタイミングよく新居が見つからない場合は、一旦仮住まいのための引越しが必要となり、その手間や費用がかかります。
なお、新規の住宅ローンを利用するために、今の住まいの住宅ローンを先に返済しなければならい場合は、この方法を選択せざるを得ない場合もあります。

「先行購入」とは

「買い替え資金」などを把握し、新居探しを優先して購入物件を決定した後に、今の住まいを売却する方法です。「売却資金」などを手堅く見込むことができれば、資金面のリスクは低くなり、「買い替え」の最終目的である「納得できる新居を、チャンスを逃さず購入」できます。ただし、売却時期が想定より遅れたために既存と新規の住宅ローンの二重払いが生じたり、相場変動などの要因によって想定した売却資金が減少する場合(リスク)があります。

表は横にスクロールできます。
  先行売却 先行購入
メリット 「売却資金」を確定するため資金的に安全
じっくり「売却」することができる
じっくり新居を探すことができる
(見つからなければ「買い替え」しない)
デメリット 今までの住まいの引渡しまでに
新居への引越しができなければ「仮住まい」が必要
既存・新規の住宅ローン二重払い
相場変動などによる売却価格の減少リスク
ポイント3 「買い替え」の流れを把握した上で臨機応変に対応する

「先行売却」と「先行購入」、ふたつの方法から進め方を選択するのが基本ですが、時には「先行売却」から「先行購入」に変更となる場合もあります。「まだ、買主はみつかっていないが気に入った物件を見つけたので先に買いたい」、「この物件を逃すと後悔しそうだから先に買いたい」など、先に売却活動に入っていても売却前に購入すれば「先行購入」となり、臨機応変な対応が求められます。
スムーズな「買い替え」を実現するためには、あらかじめ信頼できる不動産会社と綿密に計画を立てることが大切で、「先行売却」か「先行購入」のいずれの方法でスタートするか、「先行購入」に変更可能か否かなど、自分自身でも把握しておくことが必要です。「先行売却」すなわち一旦売却しなければ新居の「購入」が資金計画上難しい場合や不安な場合の対応についても、不動産会社と綿密に相談しておきましょう。


「購入」はある程度、自分自身で決められますが、「売却」については買主という相手のあるものです。
そのスケジュールも様々な場面を想定しておく必要があるでしょう。

「先行購入」された場合の「売却」の流れの図

「先行売却」において「先に売却したが、気に入った購入物件にめぐり合えない」といった場合は、引越しや仮住まいの手間・費用の負担はありますが、「売却資金」をプールしておいて「じっくり探す」ことも自分自身の判断において可能です。
しかし「先行購入」の場合は、購入した時点で購入代金の支払い義務が生じ、住宅ローンの支払いが始まります。パターンA)は問題ありませんが、パターンB)C)は、何らかの資金調達や一時的な住宅ローンの二重払いが発生することになります。

ポイントの整理

「売却資金」を中心とした「買い替え資金」を把握して、安全な資金計画を立てる
「先行売却」と「先行購入」のふたつの方法のメリット・デメリットを理解した上で選択する
Ⅲ   「売却」と「購入」が密接に連携するので、不動産会社の信頼性をしっかりと見極める。

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