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VOL.14「多世帯住宅」家族のつながりを重視して、多世帯で同居する住宅に人気 執筆:住宅ジャーナリスト/山本久美子

2013年6月19日

2.5世帯住宅の3階建てモデル(写真提供/旭化成ホームズ)

2.5世帯住宅の3階建てモデル(写真提供/旭化成ホームズ)

二世帯に限らず、多世帯で同居する住宅が注目を集めている。親世帯、子世帯ともに同居の気づかいのいらない「近居」志向が強かったのだが、これが最近変わりつつある。多世帯住宅が、今注目される背景について見ていこう。


多世帯同居のメリットは
相互の助け合いと万一の安心

社会情勢の変化で注目される二世帯住宅

二世帯住宅が注目される第一の理由は、子世帯の所得の伸び悩みにある。親から資金援助を受けて住宅を購入する例が増えているように、親子二世帯の家計の連結が進んでいる。そこで、子世帯単独で土地の購入資金を捻出するよりは、親の土地を借りて二世帯住宅を建てようという流れになるわけだ。

第二の理由は、男性の所得の伸び悩みや女性の社会進出により、出産後も共働きをする子世帯が増えていることだ。特に、3.11の大震災では、母親(子世帯の妻)が帰宅難民となり、保育園のお迎えに行けないといった深刻な事態も起こった。そばに祖父母がいれば、育児や家事などのサポートが得やすいというメリットを実感する契機にもなっただろう。

パナホーム(株)が2012年に、二世帯住宅に住む親世帯と子世帯の夫婦を対象(総数1,000人)に『二世帯住宅に関する生活者調査』を行った。「二世帯同居のメリット」について聞いたところ、親世帯では「生活面で相互に助け合える」、「孫の成長を間近に見る楽しみ」、「万が一の時の安心」が上位に挙がった。一方子世帯では、「親の健康状態をすぐに把握できる」、「自分や家族の体調不良時のサポート」などの万が一の安心をメリットに挙げるだけでなく、「家事や育児の日常的サポート」、「日常の生活費を少なくできる」といった、親世帯からのサポートや経済的な支援もメリットに挙げている。この結果から、親世帯・子世帯ともに二世帯同居には、相互の助け合いや万が一の場合の安心をメリットに感じていることがわかる。

単身の兄弟姉妹を含む、2.5世帯同居にも注目が集まる

2012年に旭化成ホームズ(株)がヘーベルハウス「2.5世帯住宅」を発売した。2.5世帯同居とは、親世帯に単身の娘や息子が加わること、つまり子世帯にとっての兄弟姉妹いずれかとも同居することを指す。

同社の「くらしノベーション研究所」によると、親世帯に単身の子が同居しているケースが2割近く存在することから、2.5世帯同居のスタイルが増加すると予測したという。息子世帯+親世帯+単身女性(息子の姉妹)という組み合わせが最も多く、単身女性の9割が仕事を持ち、75%が生活費を入れるなど、資金支援もしている。したがって、2.5世帯同居のほうが、子世帯の住宅ローンに加え、親世帯やワーキングシングルからの資金支援も加わるため、資金力が増加するという点も特徴だ。



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