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VOL51「VR内見」VR(仮想現実)による物件の内見で物件選びに変化も 執筆:ジャーナリスト/千葉利宏

2019年08月21日

VR内見のイメージ(画像提供:ナーブ(株))

VR内見のイメージ(画像提供:ナーブ(株))

不動産物件の内見にVR(Virtual Reality:仮想現実)を活用する不動産会社が急速に拡大している。VRの導入によって消費者の物件選びにも変化が生じ始めており、5G(第5世代移動通信システム)などICT(情報通信技術)の進化とともに、不動産分野でのVR活用が一段と加速すると予想されている。


VRで消費者の負担軽減と不動産会社の業務効率を実現

VRとは、コンピューターグラフィックス(CG)やパノラマ写真などを使って3次元(3D)空間を作り出し、人があたかもその中にいるような疑似体験をさせる技術。2007年にグーグルが提供を開始した、道路の風景をパノラマ写真で見せる「ストリートビュー」や、09年に公開された3D映画「アバター」などで注目され、コンピューターゲームを中心に活用が進んできた。不動産分野では、物件をCGやパノラマ写真で見せ、現地で行う内見を消費者に疑似体験させることで、消費者の負担を軽減するとともに、不動産会社の業務効率化のツールとして利用され始めた。


16年に任天堂が提供を開始したスマートフォン(以下、スマホ)向けゲーム「ポケモンGO」では、スマホに映った実際の風景映像の上に、CGで描かれたキャラクターを映し出す技術が注目された。これはAR(Augmented Reality:拡張現実)と呼ばれる技術で、VRとは区別される。不動産分野では、室内空間などの画像の上に、様々な家具を配置してコーディネートするのにARが使われている。


デジタルテクノロジーの進化がVRを身近なツールに

不動産分野でVR活用が始まった背景には、デジタルテクノロジーの進化がある。2000年代に入って3D建築設計技術「BIM(Building Information Modeling)」の導入が始まり、CGを使って3Dの仮想空間が作成しやすくなった。日本では09年頃からBIM導入が始まり、海外に比べて普及が遅れていたが、国土交通省は19年6月に建築・住宅・不動産の関係団体を集めて「建築BIM推進会議」を立ち上げ、本格普及に乗り出している。


13年には、国内でコンパクトな全天球カメラが発売され、360度パノラマ写真が簡単かつ安価に撮影できるようになり、その後も国内外で全天球カメラが商品化され、市場は拡大している。さらにドローンの登場で、空中撮影が簡単に行えるようになり、マンション住戸からの眺望も疑似体験できるようになった。


VRゴーグルのイメージ(画像提供:ナーブ(株))

VRゴーグルのイメージ(画像提供:ナーブ(株))

VRコンテンツをパソコンやスマホの画面で見るより臨場感のある映像などで見られる専用端末「VRゴーグル/VRヘッドセット」も登場した。パソコンやスマホでは画面操作しながら映像を見るだけだが、VRゴーグルは両目の視野角の違いを利用して立体的な映像を見ることができる。スマホを厚紙で作った簡易ボックスに取り付けて立体映像が見られるようにした端末から、ゴーグルを装着した状態で首を振ったり、歩いたりすると映像が動いてリアルな体験が得られる端末まである。



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