トップ話題の不動産キーワード>VOL.5 ホームインスペクション:購入時の判断材料として活用されるホームインスペクション

話題の不動産キーワード

VOL.5 「ホームインスペクション」ホームインスペクションで、住宅のコンディションを把握 執筆:住宅ジャーナリスト/山本久美子

2012年8月15日

個人向けホームインスペクターの草分け「さくら事務所」のホームインスペクションの様子

個人向けホームインスペクターの草分け「さくら事務所」のホームインスペクションの様子。洗面室の床下点検口から、主に基礎コンクリートのひび割れ、土台や大引きなど各木材の腐食や割れ、給排水配管や周辺に漏水の形跡がないかなどについて確認する。

「マイホームは高い買い物だけに失敗したくない」と誰しも思うもの。手に入れたわが家に欠陥があったというようなことは避けたいけれど、専門知識がないので見分けるのが難しいといった不安を解消することで、急速に広がっているのがホームインスペクションだ。


購入時の判断材料として活用される
ホームインスペクション

ホームインスペクションは、住宅診断や建物検査などともいわれ、住宅の設計・施工に詳しい建築士などの専門家が、住宅の劣化状況について調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に診断するというもの。アメリカほどホームインスペクションが一般化していない日本では、一部の買い主が判断材料とするために、新築住宅の内覧会の際や中古住宅を購入する前に、自己負担でホームインスペクションを依頼するケースが多い。最近では、中古住宅の売買を仲介する一部の不動産会社で、仲介サービスの一環として無料でホームインスペクションを行う事例も増えてきている。
ホームインスペクションの内容は、目視による診断が基本ではあるが、インスペクションを行う専門家(ホームインスペクター)の診断メニューや依頼主の要望によっては、専門的な機器を使用して診断したり、床下や天井裏などの内部に立ち入って診断するなど様々なケースがある。ホームインスペクションの費用は、目視による標準的な診断で、5万~8万円程度が一般的だという。


ホームインスペクターとしては、検査専門会社や建築士(設計事務所)、不動産会社の系列会社などが挙げられ、ホームインスペクションのニーズの増加につれて増えつつある。誰でもホームインスペクターと名乗ることはできるが、2008年に設立されたNPO法人日本ホームインスペクターズ協会では、品質担保を目的とする「公認ホームインスペクター」の資格試験や研修を実施している。
また、2012年には新たに一般社団法人既存住宅インスペクター教育研究会が設立された。中古住宅流通市場に関連する団体を会員として、市場活性化のために横断的な教育研修を行うものだが、新たに「既存住宅インスペクター」という資格認定制度を設けることにしている。同研究会では、インスペクションを既存住宅売買瑕疵(かし)保険※1付保のための検査と位置づけており、その検査を行う建築士をインスペクターとして今後認定していく予定だ。
インスペクションは、こうした「既存住宅売買瑕疵保険」を付保するための検査や「既存住宅の住宅性能評価書」※2を交付するための検査としても欠かせない。しかし、それぞれ目的が異なるため、その内容や活用のされ方も異なっている。

※1:売買される中古住宅について、第三者による検査と保証がセットになった保険。構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分等について5年間保証される。
※2:「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、住宅の性能(耐震・省エネ・遮音等)を共通ルールで第三者が評価するのが「住宅性能表示制度」。この制度により住宅性能評価書が交付される。



ページトップ