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VOL50「二地域居住(デュアルライフ)」シニアから若年層に広がる二地域居住(デュアルライフ) 執筆:住宅ジャーナリスト/山本久美子

2019年06月19日

日本では、人口減少や高齢化が急速に進んでいる。地方の人口減少が進む一方で、都市部、特に東京圏への人口流入が続いている。その対策として、地方への移住・定住が注目されてきたが、半定住ともいえる「二地域居住」にも注目が集まっている。最近は「デュアルライフ」と呼ばれるなど広がりを見せているが、今後は働き方改革などの影響も受けて、さらに関心が高まると予想される。

「2019年トレンド予測 住まい領域」資料よりデュアルライフ(2拠点居住)の6つのタイプ(出典:リクルート住まいカンパニー)

「2019年トレンド予測 住まい領域」資料よりデュアルライフ(2拠点居住)の6つのタイプ(出典:リクルート住まいカンパニー)


2005年頃から政策課題に挙げられた「二地域居住」

「二地域居住」という表現は、最初に国土交通省などで使われた。2005年3月に公表された「半定住人口による多自然居住地域支援の可能性に関する調査」の報告書で、二地域居住を次のように定義している。都市住民が「中長期」(年間で1~3ヶ月程度)あるいは「定期的・反復的に」(年間で1ヶ月以上または短期間でも5年以上など)、農山漁村等の同一地域に滞在すること。つまり、都市住民が多様なライフスタイルを実現するための手段として、自然豊かな地方の同じ地域に、中長期であったり、定期的・反復的に滞在することで、その地域社会と一定の関係を持ちつつ、都市の拠点とは別の生活拠点を持つということになる。


2007年には団塊世代が60歳に達したことで、時間やお金に余裕のあるシニア層の地方への定住や二地域居住の事例が増加してきたが、地方への定住や観光などの短期滞在のほか、二地域居住を促すことで地方の活性化を図ろうという、政府や自治体の政策的な取り組みは今も継続している。


「日本創生会議(座長:増田寛也氏)」の人口減少問題検討分科会が、「増田レポート」と呼ばれる提言を発表し、全国の市区町村の約半数が消失する恐れがあると指摘した。2014年9月に発足した第2次安倍内閣では、取り組むべき課題として「元気で豊かな地方創生」を位置づけ、地方創生担当大臣を置いたことなどは、記憶に新しいところだろう。


内閣府が2015年8月に実施した「国土形成計画の推進に関する世論調査」によると、「二地域居住」(平日は都市、週末は地方で生活するなど、異なる地域で同時に生活拠点を持つライフスタイル)については、「関心がある」が29.6%(関心がある13.7%+どちらかといえば関心がある15.9%)、「関心がない」は68.7%(どちらかといえば関心がない16.8%+関心がない51.9%)という回答で、約3割が二地域居住に関心を示す結果となった。



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