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VOL.6 「サービス付き高齢者向け住宅」法改正で整備が進むサービス付き高齢者向け住宅 執筆:住宅ライター/大森広司

2012年9月19日

サービス付き高齢者向け住宅の主な登録基準

サービス付き高齢者向け住宅の主な登録基準(国土交通省資料より抜粋し作成)

日本の高齢化が急速に進むなか、高齢者が安心して暮らせる住宅の確保が緊急の課題だ。そこで国では、これまで分かりにくかった高齢者向け住宅の基準を統一し、「サービス付き高齢者向け住宅」として供給を促す取り組みを始めている。


高齢者向け住宅を統合し、
基準を明確化

賃貸住宅に住んでいる高齢者には、高齢を理由に住み続けられなくなったり、住み替え先を探すのが難しくなるのではないかと不安を抱く人も少なくないだろう。国は高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)に基づいて、高齢者向け賃貸住宅の供給を促してきた。これまでは、高齢者の入居を拒まない「高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)」と、専ら高齢者を受け入れる「高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」を登録の対象としてきた。さらにそれらのなかで、バリアフリー構造など良好な居住環境を備えた住宅を「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」として認定していた。

こうして高齢者向け賃貸住宅の制度は整備されたものの、制度が複雑なうえ、高円賃や高専賃は床面積や設備、賃貸条件などの基準が設けられているだけで、運営内容にはバラつきがみられた。そこで国は法律を改正し、高齢者向け住宅の登録制度を2011年10月から新たに「サービス付き高齢者向け住宅」として一本化した。床面積や設備だけでなくサービス内容や契約関連の基準を明確にし、事業者による入居者に対する契約前の説明も義務づけている。老人福祉法に基づく有料老人ホームも、基準を満たせばサービス付き高齢者向け住宅に登録できることとなった。

具体的には、サービス付き高齢者向け住宅の「サービス」とは、登録基準では「少なくとも状況把握(安否確認)サービス、生活相談サービスを提供すること」となっている。サービスを提供する専門家が日中は建物内に常駐することを義務づけ、常駐しない時間帯には緊急通報システムによる対応を求めている。

契約については、書面による契約のほか、権利金などの金銭の支払いを求めないこと、入居者の長期入院などを理由に事業者が一方的に解約してはならないこと、などが定められた。また家賃の前払金についても、建物が未完成のうちに受領しないことや、一定期間内に解約した場合などに前払金を返還することなどが細かく規定されている。



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