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VOL.21「コンセプト型賃貸」入居者像を絞り、より暮らしを楽しめる場に 執筆:住宅新報特別編集委員/本多信博

2014年8月20日

シェアハウスでは、入居者同士の交流が盛ん(撮影:筆者)

シェアハウスでは、入居者同士の交流が盛ん(撮影:筆者)

主に賃貸住宅市場で「コンセプト型」が人気を集めている。「ペット共生型」などその歴史は古いが、最近はコンセプトやテーマがなければ「ほとんど見向きもされない」ぐらい、入居者を絞った賃貸住宅が主流にさえなりつつある。そうした中、人気のシェアハウスも単なる〝交流〟ではなく、そこにどんな付加価値を持たせるかが成否を分ける鍵となってきた。


コンセプト型で住まいが暮らしを楽しむ場に

入居者像を絞る時代
しかし、リスクも

ガレージ・イン、ミュージシャン向け、ワインセラー付きなど、最近は何らかの〝コンセプト〟がなければ、入居者確保は難しいといわれる。特に東京などの大都市は、その傾向が強い。ただ、コンセプト型賃貸といっても、「普通の賃貸」との明確な線引きがあるわけではない。「女性専用」もコンセプトの一つである。要は、ターゲットとする入居者の絞り方の強弱がポイントになる。

例えば、「女性専用」は単なる性別だから絞り方としてはかなり弱いが、趣味別で「サーファーズ向け」となると、かなりターゲットは絞られる。ちなみに、サーファーズ向けは海の近くで、サーフボードを置けるように玄関が広い土間になっている。都市部以外で成功する可能性がある数少ないコンセプト型といえる。

ほかにも「ドクターズレント」(医者・看護師専用)、「ハイセキュリティ」(防犯強化)、「キャラクターズ」(エントランスでキャラクターが迎えてくれる)など多彩である。もちろん、ターゲットを絞りすぎると逆に入居者確保が難しくなるというリスクはある。

そのあたりの〝手加減〟が難しいわけだが、要は住まいというものが、日々の暮らしを楽しむための道具と化してきていることに注目すべきである。特に、賃貸住宅はそうである。「ライフスタイルに応じて、住まいを選ぶ」ということはそういうことだろう。

なぜ、コンセプト型なのか
住まいの役割に変化が

住まいが、日々の暮らしを楽しむための場(空間)として、より強く意識されるようになった背景には、1990年代初頭の〝バブル崩壊〟がある。バブル崩壊を機に地価が下がり始めた結果として、住宅の資産価値も下がり続け、人々は以前のように、より大きな住宅に住み替えながら資産を増やしていくという道が閉ざされてしまった。それどころか、住宅を売却して得る金額では住宅ローンの残債を返済しきれないため、買い替え自体ができなくなっている人たちも多い。

つまり、〝土地神話の崩壊〟とともに日本人にとって住まいは資産形成の手段としてよりも、「そこでの暮らし自体を楽しむもの」という意味合いが強まったものと推察できる。持ち家でさえそうなのだから、賃貸はなおさらである。



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