トップ不動産基礎知識:貸すときに知っておきたいこと4.仲介・管理を依頼する会社を選ぶ:仲介手数料について
仲介手数料に関するトラブルを防ぐために、仲介手数料に対する法規制や媒介契約の締結時の注意点を押さえておきましょう。
宅地建物取引業法により、不動産会社が受け取ることのできる仲介手数料には上限があります。したがって、不動産会社が上限を超える仲介手数料を受け取った場合は、法令違反となります。また、法令で定められているのはあくまでも上限ですので、当然に上限の額を請求できるということではありません。
不動産の賃貸借の仲介では、賃貸借契約が成立したときに不動産会社の仲介手数料の請求権が発生します。(一般的に「成功報酬」といわれています。)したがって、賃貸借契約が成立するまでは、不動産会社に仲介手数料を支払う必要はありません。
通常の仲介業務で不動産会社に発生する費用は、依頼者に請求することはできません。例えば、一般的に行われる広告費用や入居希望者の案内にかかる費用は、賃貸借契約成立時に発生する仲介手数料に含まれるものです。 例外的に、依頼者の特別な依頼に基づき発生した広告費用等の「実費」については、請求することが認められています。例えば、依頼者の希望で実施した通常の販売活動では行わない広告宣伝の費用、依頼者の希望で行った遠隔地の入居希望者との交渉のための出張旅費などについては、不動産会社は仲介手数料とは別に請求することができます。 ただし、あくまでも
のすべてが満たされている場合に限定した例外的な取り扱いであることに留意しておきましょう。特に、賃貸の仲介では根拠のない広告費等を請求されることもありますので注意しましょう。
空き家の取引には、通常と比べて高額な現地調査の費用などが発生するケースがあります。
空家解消対策の一環として、現に長期間使用されておらず、または将来にわたり使用の見込みがない宅地建物については、借主貸主あわせて借賃1ヶ月分の2倍(+消費税)を上限として、報酬を受領できるようになりました(国土交通省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」2024年7月1日施行)。ただし、貸主から報酬を受領しない場合、借主から受領できる報酬上限は1ヶ月分(+消費税)になり、2倍にはならない点に注意が必要です。
特例を適用する場合、不動産業者はあらかじめ仲介手数料について依頼者それぞれに説明し、合意を得る必要があります。あとでトラブルにならないよう、賃貸借依頼書等の書面に記載し証拠を残すことが望ましいです。