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不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと

6.不動産会社を選ぶ6-3 不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社に正式に売買の仲介を依頼するときには、「媒介契約」を締結します。
媒介契約は、自分が希望する仲介のサービス内容とその対価である手数料などを明確にするための大切な書類です。後悔することのないよう、自分の意思を不動産会社にしっかりと伝えた上で、媒介契約を締結することが必要です。

ポイント1 媒介契約の意義

媒介契約とは、宅地建物の売買や交換の媒介(仲介)に関する依頼者と不動産会社との契約です。
媒介契約は、購入希望者が不動産会社に依頼する業務の仕様(どのようなサービスを受けるか)や仲介手数料などを契約で明確にすることで、仲介業務に関するトラブルを未然に防ぐことができます。そこで仲介の依頼を受けた不動産会社には、媒介契約の契約関係を明確化するための、一定事項を記載した書面の作成と依頼者への交付が法的(宅地建物取引業法第34条の2)に義務づけられています。
なお、デジタル整備法の宅地建物取引業法改正部分が2022年5月18日に施行され、この媒介契約締結時の書面について、紙の書面に代えて電磁的方法による提供(電子書面交付)が可能になりました。

媒介契約の締結は、その後の仲介業務の入口となる重要なステップですので、内容をきちんと理解しておく必要があります。

ポイント2 媒介契約の種類

媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。「専属専任媒介」と「専任媒介」は仲介業務を1社にしか依頼できませんが、「一般媒介」は複数の不動産会社に仲介を依頼することができます。ただし、購入の仲介を依頼する場合は、「一般媒介」を締結することが普通です。(専属専任媒介や専任媒介を締結することは、あまり多くはありません。)なお、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」がありますので、以下の説明を踏まえて、自分に合う契約を選択しましょう。

一般媒介契約

複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することができる契約で、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)とも、不動産会社を通すことなく契約することができます。ただし、最終的には、どの不動産会社を通して取引を進めるかを決めることとなります。一般的には、有力な物件を紹介した不動産会社と取引を進めることが多いようです。

【明示型と非明示型】

一般媒介契約には、「明示型」と、「非明示型」があります。
明示型の場合は、他の不動産会社への同時依頼を契約で認めつつも、仲介を依頼した不動産会社には、他にどの不動産会社へ仲介を依頼しているかを通知する必要があります。一方で、非明示型の場合は、他の不動産会社に重ねて依頼しているのか、あるいは、どんな会社に依頼しているのかを不動産会社に通知する必要がありません。

ポイント3 媒介契約締結前に不動産会社に確認しておくこと

媒介契約を締結すると、契約内容が明確になる一方で、依頼者にも様々な契約上の義務が生じますので、留意事項をしっかり押さえておきましょう。

(1)購入の希望条件を明確に伝える

引っ越しが可能な時期、購入に必要な資金計画などの事情を踏まえて、購入時期、購入希望価格などの希望条件を、改めて不動産会社に伝えることが重要です。もちろん、希望する条件では購入が困難な場合もありますので、不動産会社と十分に協議した上で、最終的な条件を決定しましょう。

(2)仲介業務の内容を確認する

媒介契約を締結する前に、不動産会社が提示した仲介業務の内容を再度確認することも大切です。この確認を怠ると、受けられると思っていたサービスが受けられない事態を招くこともあります。

【仲介業務の主な確認事項】

●どのような報告を受けられるのか
仲介業務の実施状況について、不動産会社からどのような報告を受けられるのか確認したほうが望ましいでしょう。形式的な報告では、売主との交渉状況などの実態を把握できないばかりか、不動産会社に対する不信感を抱くことにもつながります。

●その他のサービス内容
契約手続などに関して、どのようなサービスが受けられるかについて、できるだけ詳細に確認して、仲介業務の内容を明確にするとともに、依頼者自身が行うべきことを確認しておきます。
【依頼者が行うことの一例】 ※あくまでも一例であり個別の事情に応じて変わることもあります。
・契約手続のうち、必要な公的書類(印鑑証明書等)の取得等
・売買完了後に発生したトラブルへの対応
※仲介した不動産会社が対応できるトラブルもありますが、本人が自ら対応しなければならないこともあります。

(3)仲介手数料について確認する

仲介業務の内容を明らかにした上で、仲介手数料を確認します。仲介手数料の法規制などをしっかりと理解して不動産会社と協議しましょう。
 「仲介手数料について」を参照

ポイント4 媒介契約の内容と確認事項

媒介契約については、国土交通大臣が、媒介契約の標準化と消費者保護を図ることを目的として、「標準媒介契約約款」(以下「標準約款」)を告示しています。住宅等を対象とした仲介に関しては、一般的に標準約款により媒介契約が締結されていますので、その内容や確認事項を押さえていることが重要となります。
 標準約款による「媒介契約書の確認事項及」を参照


なお、不動産会社は建物状況調査(インスペクション)を実施する者(国土交通大臣の定める講習を修了した建築士が実施するものに限る)について、不動産会社がそのあっせんの可否を示し、媒介契約書面にあっせんの有無を明記します。

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