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不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと

5.住まいを探す5-6 住宅性能評価書付き住宅とは

「住宅性能評価書付き住宅」とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に規定された「住宅性能表示制度」に基づいて、住宅の性能に関する第三者機関の評価書が交付された住宅です。
どんな制度で、どんなメリットがあるかを知っておきましょう。

ポイント1 住宅性能表示制度とは

新築住宅を対象とした住宅性能表示制度は2000年からスタートしました。これは、構造の安定、劣化の軽減、維持管理・更新への配慮、温熱環境・エネルギー消費量に関することなど、10分野33項目(新築住宅の場合)の住宅性能について、国土交通大臣の登録を受けた第三者機関である「登録住宅性能評価機関」が1~5等級で評価する制度です。これによって、住宅の客観的な性能評価を知ることができます。
この制度は任意のもので、すべての住宅が性能評価を受けているわけではありません。なお、住宅性能評価の申請は、住宅を建てた建築会社、住宅の買主、住宅の売主など、誰でも行うことができます。

新築住宅の住宅性能評価は2種類

性能評価には、設計図書の評価結果をまとめた「設計住宅性能評価」と、設計住宅性能評価を受けた住宅を対象に、施工時や完成時の立入検査と工事記録書類の確認結果に基づく評価結果をまとめた「建設住宅性能評価」の2種類があります。

既存住宅も評価制度の対象

2002年8月から、既存(中古)住宅を対象とした性能表示制度もスタートしました。既存住宅の評価では、新築住宅を対象とした性能表示事項のうち、既存住宅であっても一定の信頼度をもって評価が可能な9分野28項目と、既存住宅のみを対象とした2項目が設定されています。なお、現況検査により認められる劣化等の状況に関する評価は必須ですが、住まいの個別性能に関する評価は選択事項です。

ポイント2 住宅性能評価書付き住宅の特徴

住宅性能評価書付き住宅には、いろいろなメリットがあります。

(1)
国土交通大臣の登録を受けた第三者機関による、客観的な住宅の性能評価がわかります。
(2)
新築住宅では、住宅供給者である売主が売買契約書に住宅性能評価書やその写しを添付した場合や、買主に住宅性能評価書やその写しを交付した場合には、評価書に表示された性能の住宅を引き渡すことを契約したと見なされます。したがって、評価書に表示された性能を満たしていない場合には、買主は売主である不動産会社に修補工事や損害賠償等を求めることができます。
(3)
建設住宅性能評価書を取得すると、耐震性能の等級に応じて地震保険料率の割引を受けることができます。
(4)
住宅ローン金利が優遇される場合があります。
ポイント3 住宅性能表示制度による住宅の紛争処理

建設住宅性能評価書の交付された住宅で、住宅のトラブルや請負契約・売買契約に関する当事者間の紛争が起きたときは、国土交通大臣が指定する「指定住宅紛争処理機関(各地の単位弁護士会)」に紛争処理を申請することができます。紛争処理の手数料は、1件当たり1万円です。

※指定住宅紛争処理機関は住宅の紛争を円滑・迅速に処理するための機関です。

住宅性能表示制度による住宅の紛争処理の仕組み

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