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不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと

8.購入の最終判断をする8-1 購入の申し込みをする際の注意点

買いたい物件が決まったら、購入の申し込みをする前に、希望条件に合う物件か、問題点はないかなど、再度確認をした上で購入の申し込みを行います。
ここで紹介する、購入の申し込みをする際の注意点を参考に、慎重に取引を進めましょう。

ポイント1 購入する物件を決めて購入の申し込みをする

気に入った物件が見つかったら、詳細な条件について相談します。
まず、不動産会社から、物件について知りたい情報を遠慮なく聞くとともに、現地案内時には物件をしっかりとチェックして、気になる点を確認します。その上で不動産会社と相談しながら、購入希望条件を具体的にしていきましょう。基本的な条件が固まったら、売主に条件を提示し、購入の申し込みをします。

この段階では、まずは、購入希望価格や引渡し希望時期などの基本的な条件を提示することが多いようです。ただし、基本条件以外にも購入の前提となる条件がある場合は、初めから提示することもあります。価格以外にも、例えば中古物件であれば、物件の修理などの要望もあるでしょう。

ポイント2 購入の申し込みからの交渉の流れは?

新築分譲物件と中古物件では、購入の申し込みをした後の交渉の流れが違います。それぞれの場合で確認していきましょう。

新築分譲物件の場合

一般的に、新築分譲物件の購入の申し込みは、現地の販売事務所で行われます。購入の申し込みに当たっては、「申込証拠金」(5万~10万円程度)といわれるお金を支払うことも多いようです。

申込証拠金は、購入意向が確かであること(「ひやかし」ではないこと)を示すことなどを目的に支払われるもので、契約が成立したときには、手付金や物件の購入代金に充当されます。

なお、契約に至らなかった場合には、申込証拠金は返還されますが、申込証拠金の法的な性質は必ずしも明確ではないため、その返還をめぐるトラブルも多いようです。
したがって、申込証拠金の支払いを求められた場合は、その後の取り扱いをしっかりと確認するととともに、必ず金銭の授受の目的(申込証拠金として授受されたこと)と金額、支払日などが記載された預り証等を受け取るようにしましょう。

新築分譲物件の場合

申込証拠金を支払って購入申し込みを行った上で、物件情報と契約条件をより詳細に確認するなど、購入までの具体的な手続を進めることとなります。

中古物件の場合

中古物件の場合、購入の申し込み(基本条件の提示)は、「買付証明書」などと呼ばれる書類を作成し、不動産会社を通して売主に渡されることが多いようです。

買付証明書とは、購入希望価格、代金の支払い条件、引渡し希望日などの基本的な購入条件を記載し、署名・捺印したもので、「私はこの物件を、こういう条件で買いたい」という具体的な購入希望を伝えた上で、優先的な個別交渉の開始を求めるものです。なお、中古物件の場合は、申込証拠金などの支払いは不要な場合が一般的です。

その後、購入希望者から提示された条件を踏まえて、売主が、契約の可能性があると判断した場合は、本格的な個別交渉が始まります。売主はこの段階で交渉相手をある程度絞り込みますので、その後の交渉を誠実に進めていくことが大切です。個別交渉では、互いの条件の違いを調整するとともに、より具体的な条件を決めていきます。

中古物件の場合
ポイント3 申し込み後の撤回は可能?

購入の申し込み(基本条件の提示)の後に、具体的な交渉を行った結果、各種条件が折り合わないなどの理由から申し込みを撤回したいということもあり得ます。このような場合、一般的に、売買契約を締結していない限りは、申し込みを撤回することは可能です。また、申込証拠金を支払っている場合は、返還されます。
ただし、特に中古物件の売主は、ある程度の契約成立の見込みがあると判断して個別の交渉を開始している点に留意した方がよいでしょう。申し込みを撤回する際に、不誠実な対応をしてしまった場合には、売主とのトラブルが発生することもありますので十分に注意しましょう。

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