トップ不動産基礎知識:売るときに知っておきたいこと>7.不動産を引き渡す:7-1 引き渡しまでの注意点

不動産基礎知識:売るときに知っておきたいこと

7.不動産を引き渡す7-1 引き渡しまでの注意点

売買契約を締結すると、売り主には、所有権移転と物件の引き渡しなどの義務が生じます。
これらの義務を期日までに果たすことができなければ、債務不履行(約束違反)で違約金の支払いを求められることもありますので、しっかり準備をする必要があります。

ポイント1 引き渡しまでに準備すること

引き渡しまでには、様々な準備をしなければいけません。専門家へ依頼することもありますので、準備すべきことをしっかりと整理しておくことが重要です。引き渡しの準備で不明な点があれば、速やかに不動産会社に相談しましょう。各種費用の精算準備、引き渡し書類などの整備などたくさんのことをしなくてはなりません。

所有権移転登記の準備

一般的に登記申請は司法書士に委任しますので、司法書士や不動産会社に必要書類をしっかりと確認して、漏れのないよう準備します。この準備を怠ると、契約書で約束した期日に所有権移転登記ができませんので、十分に注意してください。
特に、登記記録(登記簿)に記載された内容と事実が異なる場合(登記記録の住所と現住所が違うなど)や、登記識別情報または権利証を紛失してしまった場合などは、所有権移転登記に特別な手続きが必要となります。これらの手続きには時間がかかることもありますので、極力早く準備に着手することが大切です。

抵当権の抹消の準備

売却物件に抵当権が設定されている場合は、ローンを借りている金融機関に残債額の確認をして、ローンの全額返済と抵当権抹消のための準備を進めます。特に、抵当権抹消にかかる金融機関のスケジュールと引き渡しのスケジュールをしっかりと調整することが重要です。事前に、金融機関や不動産会社とよく相談しておくとよいでしょう。

土地の実測や境界確認

一般的に土地家屋調査士に依頼します。境界の確認は隣地所有者も立ち会った上で行いますので、しっかりと対応しましょう。特に、境界がよく分からない、境界から越境しているものがある、隣人とトラブルがあるなどの場合は、境界確認が不調となることもありますので、早めに準備する必要があります。

現地確認

原則として引き渡しまでに、売り主、買い主、不動産会社が立ち会って、現地の確認をします。隣地との境界、付帯設備の引き継ぎ、物件の修復が契約条件になっているときはその確認など、契約で約束した事項について、引き渡し後にトラブルが発生しないよう十分に確認してください。

引っ越し

引き渡しまでに退去を済ませるのが原則です。什器・備品等の付帯設備の引き渡し条件をしっかりと確認した上で、買い主に物件を確実に引き渡せるよう準備をします。
特に、賃貸中で賃借人の退去が条件となっている場合は、賃借人や管理会社と十分に調整した上で、確実に引き渡しができるようにしましょう。賃借人の退去をめぐって引き渡しが遅れることもありますので十分な注意が必要です。
また、ガス・水道・電気等の公共料金の精算についても、不動産会社に確認しながら準備をします。

その他

その他にも次のような準備がありますので、不動産会社に確認の上、漏れのないよう対応しましょう。
  ・ 公租公課(固定資産税や都市計画税)や公共料金、管理費などの精算
  ・ 買い主へ引き渡す書類等の整理(建築関係書類、鍵など)

売り主が事前に準備する主なもの

●登記関係書類等

・所有権移転登記の関係書類等(登記を書面申請する場合)
登記識別情報または権利証、印鑑証明書(登記申請日時点で発行後3ヶ月以内のもの)、住民票、固定資産評価額証明書、司法書士への委任状など
・抵当権抹消登記に必要な関係書類等
※登記関係書類等は司法書士等の専門家に確認しましょう。また、登記をオンライン申請する場合は準備するものが異なります。

●実印(登記関係書類に押印する)
●登記費用
●実測図や境界確認書(必要な場合のみ)
●残代金や各種精算金等の領収書(口座振込の場合は振込控えで代替する場合もある)
●建築関係書類、物件の鍵等の買い主へ引き継ぐべきもの一式
●仲介手数料(媒介契約書の支払条件に基づいて準備する。不動産会社からは領収書を受け取る)

ポイント2 引き渡し時の手順

一般的に、売り主による所有権の移転と物件の引き渡し義務と、買い主による残代金を支払う義務は同時に履行します。

残代金の決済と所有権移転登記

まず、買い主から売り主へ、残代金を支払います。住宅ローンを利用する場合は、ここでローンが実行されます。
残代金を受け取ったら、売り主は買い主に対して残代金の領収書と所有権移転登記に必要な書類一式を引き渡し、一般的には司法書士が所有権移転登記を申請します。(売却物件に抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消の登記も同時に申請します。)この場合、登記費用は司法書士に支払います。

公租公課等の精算

公租公課(固定資産税と都市計画税)、管理費などについては、引き渡し日の前日までを売り主の負担、引き渡し日以降を買い主の負担として、日割り精算するのが一般的です。買い主から精算金を受け取ったら領収書を受け渡します。

その他必要書類等の引き渡し

実測図や建築関係書類、物件の鍵、付帯設備の保証書・取り扱い説明書、その他の書類等を売り主から買い主へ引き渡します。必要書類等の引き渡しと引き換えに「引き渡し確認書」などを受け取ることも多いようです。

決済・引き渡しの流れ 
仲介手数料の支払い

引き渡しが完了したら、不動産会社と結んだ媒介契約に基づいて、仲介手数料を支払います。不動産会社から領収書を受け取ります。

ページトップ