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不動産基礎知識:売るときに知っておきたいこと

2.相場を知る2-1 不動産価格の考え方

売却を検討するに当たって、大きな検討課題となるのが「価格」です。不動産は個別性が非常に強い資産であるため、価格の判断が極めて難しいという特徴があります。最終的には、不動産会社などの専門家の意見を参考にしながら、売却価格を決定することとなりますが、不動産価格の合理的な判断手法はありません。まずは、不動産価格に関する基本的な考え方と検討手法等を少しでも理解するようにしましょう。

ポイント1 価格の基本的な考え方を理解する
同じ不動産は存在しない

不動産には一つとして同じものが存在しません。同じ地域の土地でも、土地の形、面積、方位、接する道路の状況などによって、価格が大きく変わることがあります。また、同じ棟のマンションでも、階数、間取り、部屋の方位、管理状況などによって価格は変わります。このように、不動産価格を判断する場合には、立地条件や物件自体の特徴(これを一般に「個別性」といいます)を踏まえて、物件ごとに検討する必要があります。

取引時点が変われば価格は変わる

不動産市場にも、全体的な相場の動きがあります。たとえ同じ不動産であっても、取引する時期(これを一般的に「取引時点」といいます)が変われば、価格も大きく変わる場合があります。したがって、不動産価格を判断する場合には、市場全体の動向も踏まえて、取引時期に応じて検討する必要があります。

最終的には売り主と買い主の合意が前提

不動産売買は、スーパーなどで買い物をするように、提示された金額に対して「買うか、買わないか」の二者択一で成立するものではありません。売り主と買い主が個別に希望条件を調整し、合意に至ったときにはじめて価格が確定します。

このように、不動産価格は個別の「取引」ごとに決まりますので、その価格を客観的なデータだけで完全に検証することはできません。不動産の売却で後悔しないためには、(1)できるだけ多くの情報(専門家からのアドバイスも含みます)を収集して、価格に関する自分なりの検討を十分に行うこと、(2)最終的な取引の相手方と誠実に交渉を重ねることにより、自分自身が納得して取引することが重要です。

ポイント2 価格の評価手法を知る

売買を目的とした不動産の価格評価を一般的に「価格査定」といいます。価格査定には様々な手法がありますが、ここでは、(公財)不動産流通推進センターが発行する「価格査定マニュアル」を参考に、住宅地(土地)とマンションの価格査定のおおまかな仕組みを紹介します。ただし、価格査定には専門的な検討が必要であることに、留意してください


(公財)不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」の詳細はこちら(「価格査定マニュアル」では、時点修正はシステムに内蔵されていません。)
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平成27年7月に、(公財)不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」のうち「戸建住宅価格査定マニュアル」については、リフォームや適切なメンテナンスが査定価格に反映されるような改訂が行われました。
 詳しくは、「国土交通省・最新の動きVOL.83」「話題の不動産キーワードVOL.26」を参照

取引事例比較法(土地やマンションの価格査定の基本的手法)

土地やマンションの場合、「取引事例比較法」により査定されることが多いようです。取引事例比較法は、売買しようとする不動産(以下「対象不動産」)と同じような不動産の取引事例等の価格と比較することで、対象不動産の価格を査定する方法です。
まず、対象不動産と取引事例等となる不動産を比較して、取引事例等の価格をベースに対象不動産のおおむねの価格水準を査定します。その上で、取引時期の違いについて、市場全体の動向を加味して一定の調整(これを一般的に「時点修正」といいます)を行います。

価格査定のイメージ図 ※あくまでも価格査定の概略を把握するための一例です

(1) 取引事例等との比較

取引事例等となる不動産と対象不動産の個別性を比較します。(例えば、土地であれば、土地の形・面積・方位・接する道路の状況など、マンションであれば、階数、間取り、部屋の方位などを比較します。)
各比較項目について、対象不動産が取引事例等となる不動産より優れているのか、劣っているのかで、取引事例等となる不動産の価格を調整し、対象不動産のおおむねの価格を査定します。(例えば、対象不動産が取引事例等となる不動産より10%程度劣ると判断する場合は、取引事例等の価格を10%減価します。)

●取引事例等の選定に当たっての留意点

対象不動産と同じような不動産を取引事例等として選定しなければ、価格の判断を大きく誤ってしまいますので、慎重に取引事例等を選定する必要があります。以下に不適切な取引事例等の選定例を挙げます。

土地の場合
・住宅地の取引事例等として近隣の商業地を選定
・通常の住宅地の取引事例等として住宅地内の大規模な土地を選定
・住宅地の取引事例等として10年前の事例を選定

マンションの場合
・中古マンションの取引事例等として新築マンションを選定
・ファミリーマンションの取引事例等としてワンルームマンションを選定
・比較的築浅のマンションの取引事例等として築後数十年のマンションを選定

(2)時点修正

取引事例等となる不動産と対象不動産の取引時点を比較します。取引事例等の不動産が取引された時点から市場相場が上昇しているか、下落しているかで、価格に時点修正を施します。(例えば、取引事例等となる不動産が取引された時点より10%相場が下落していると判断する場合は、取引事例等との比較により算出した価格をさらに10%減価します。)

(3)その他留意事項

対象不動産の価格査定は、取引事例等との比較と時点修正のみで完結するものではありません。その他の要因も加味した上で、最終的な査定価格とする必要があります。価格査定に当たっては、不動産会社等の専門家へ相談することも大切です。


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