トップ不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと>8.購入の最終判断をする:8-2 重要事項説明のチェックポイント

不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと

8.購入の最終判断をする8-2 重要事項説明のチェックポイント

契約前に、必ず行われるのが「重要事項説明」。
購入予定の物件や取引条件に関する重要事項が説明されます。
購入するかどうかの最終的な判断をするためには、その内容を理解することが大切です。

ポイント1 重要事項説明って何?

宅地建物取引業法では、売買契約を締結するまでの間に、不動産会社は、購入予定者に対して購入物件にかかわる重要事項の説明をしなければならないと定めています。重要事項説明は、宅地建物取引士が、内容を記載した書面に記名押印し、その書面を交付した上で、口頭で説明を行わなければなりません。

重要事項説明書に記載されているのは、大きく分けて「対象物件に関する事項」と「取引条件に関する事項」ですが、宅地建物取引業法で、説明すべき事項が細かく定められています。購入を検討する中で確認していた情報と異なる説明はないか、その他気になる事実はないかなど、きちんと確認しましょう。

重要事項説明を受けた結果、購入を見送ることもあり得ますので、重要事項説明は極力早めに受けることが大切です。説明を受けた後、検討の時間を十分に取って、疑問点を解消してから契約に臨みたいものです。そのためにはあらかじめ、不動産会社に重要事項説明と売買契約のスケジュールを確認しておきましょう。売買にかかわる交渉の最終段階では、どうしても検討する時間的余裕がなくなりがちですが、しっかりと考えて最終判断ができるよう、遠慮せずにスケジュールを調整することも大事です。

●オンラインによる重要事項説明(IT重説)
重要事項説明は、宅地建物取引士が記名押印した書面を交付して、口頭で説明することが義務づけられています。従来は、「対面」で行われてきましたが、一定の要件を満たした上で、テレビ会議等の「IT」(パソコン等の端末)を利用して非対面で行う場合も、対面で行う重要事項説明と同様に取り扱われることになりました。
これを「IT重説」と言い、売買取引については、2021年3月30日から実施できるようになりました。IT重説を実施するには、次の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 双方向(宅地建物取引士と消費者)でやり取りできるIT環境において実施する
  2. 重要事項説明書等を事前に(消費者に)送付する
  3. 重要事項説明の開始前に、消費者がIT環境も含めて説明を受けられる状態にあることを宅地建物取引士が確認する
  4. 宅地建物取引士証を消費者が画面上で視認できたことを確認する

なお、デジタル整備法の宅地建物取引業法改正部分が2022年5月18日に施行され、「重要事項説明書」について、紙の書面で交付する場合の宅地建物取引士の押印が不要になるとともに、紙の書面に代えて電磁的方法による提供(電子書面交付)が可能になりました。

ポイント2 必ず確認したい大切なポイントはココ!

重要事項説明書には、専門的な内容も記載されているため、難しい印象を受けますが、ひとつひとつ丁寧に解説してもらえば理解することはできるでしょう。また、重要事項説明の全体像を把握した上でポイントを確認すると、より理解しやすくなります。

ここでは、重要事項説明で特に確認しておきたい事項を8項目に分けて説明しますので、参考にしてください。

国土交通省が推奨する重要事項説明書リンクサイト
重要事項説明の流れ
  • 1.説明を受ける前の基本的な確認(宅地建物取引士が書面を交付し口頭で説明)
  • 2.物件の基本的な確認 物件は特定できているか?権利関係(抵当権等)は整理されている?
  • 3.法令上の制限 土地の利用に制限は?予定通りの建物が建つ?費用負担は発生しない?
  • 4.インフラ整備 飲用水などのインフラは整備されている?私道等の特別な負担はない?
  • 5.その他の制限等 その他物件の利用に制限はない?その他費用負担はない?
  • 重要事項説明の流れ
  • 6.マンションの場合 権利関係はどうなっている?建物の利用、管理、修繕のルールはどうなっている?
  • 7.契約条件 契約内容は適切か?
  • 8.その他 金銭貸借あっせんはあるか?その他確認事項はないか?

説明内容の十分な確認と理解
売買契約の締結

ポイント3 告知書って何?

中古住宅の取引に当たっては、その住宅の過去の履歴や隠れた瑕疵(かし)が問題になることがありますが、これらの本来売主や所有者しか分からない事項については、不動産会社が全て把握するには限界があります。そこで多くの不動産会社では、売主の協力の下に、告知書(付帯設備及び物件状況確認書)を提出してもらい、それに基づく物件調査を行い、重要事項説明にも反映させています。

 告知書の記載事項についての詳細は、「不動産基礎知識(売るときに知っておきたいこと)5-2 物件情報を提供する ポ
イント3 告知書とは?
」を参照

●宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインについて
宅地建物取引業者が人の死について認識し、不動産取引の契約の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合、そのことを告知する必要があります。ただし、人の死についての考え方は人それぞれで、契約の判断に及ぼす度合いも異なります。そこで、国土交通省は2021年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を取りまとめました。

ガイドラインでは、宅地建物取引業者が「人の死についてどこまで調査すべきか」、「どこまで告知すべきか」についての指針を示しています。宅地建物取引業者は、売主に人の死についても「告知書」に記載するように求める形で調査を行い、自ら近隣に聞き込みをしたりインターネットで調べたりすることまでは調査する必要がないとされています。

売買取引での告知については、「自然死・日常生活の中での不慮の死(老衰、持病による病死などの自然死や転倒事故、誤嚥(ごえん)などの事故死)の場合」は告知不要としていますが、その場合でも長期間にわたって人知れず放置されたことで、消臭・消毒などの特殊清掃や大掛かりなリフォームが行われた場合は告知が必要としています。また、「対象物件の近隣住戸や通常使わない共用部分で発生した場合」は告知不要としています。ただし、人の死による事件性や社会的影響が大きい場合、契約の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合などは、告知をする必要があるとしています。

 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインについての詳細は、「国土交通省・最新の動きvol.156」を参照

ページトップ