トップ不動産基礎知識:借りるときに知っておきたいこと8.賃貸借契約を結ぶ:8-1 契約前に重要事項説明を受ける
仲介する不動産会社を通して住まいを借りる場合は、不動産会社から物件や契約条件などに関する重要事項説明を受けます。
契約を結ぶ前に、その内容を理解することが大切です。
なお、貸主である不動産会社と直接契約を結ぶときなど、重要事項説明を受けない場合でも、「重要事項説明のポイント」に書かれた内容を参考に、気になる事項があればしっかりと確認するとよいでしょう。
宅地建物取引業法では、賃貸借契約を締結するまでの間に、仲介や代理を行う不動産会社は、入居予定者に対して賃借物件や契約条件に関する重要事項の説明をしなければならないと定めています。重要事項説明は、宅地建物取引士が、内容を記載した書面に記名し、その書面を交付した上で、口頭で説明を行わなければなりません。
重要事項説明書に記載されていることは大きく分けて、「対象物件に関する事項」と「取引条件に関する事項」です。確認していた情報と異なる説明はないか、その他気になる事実はないかなど、きちんと確認しましょう。何か不明な点があれば、納得のいくまで確認をしてください。説明を受けた結果、契約を見送るという判断もあり得ます。
なお、不動産会社が貸主の場合は、重要事項説明の義務はありませんので、物件や契約条件について気になることがあれば、自ら不動産会社に確認するようにしましょう。
●オンラインによる重要事項説明(IT重説)
重要事項説明は、一定の要件を満たした上でテレビ会議等の「IT」(パソコン等の端末)を利用した、非対面の「IT重説」も実施できるようになっています。IT重説を実施するには、次の4つの要件を満たす必要があります。
また、重要事項説明書は、紙の書面での交付に代えて電磁的方法による提供(電子書面交付)も可能です。
●宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインについて
宅地建物取引業者が人の死について認識し、不動産取引の契約の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合、そのことを告知する必要があります。ただし、人の死についての考え方は人それぞれで、契約の判断に及ぼす度合いも異なります。そこで、国土交通省は2021年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を取りまとめました。
ガイドラインでは、宅地建物取引業者が「人の死についてどこまで調査すべきか」、「どこまで告知すべきか」についての指針を示しています。宅地建物取引業者は、売主に人の死についても「告知書」に記載するように求める形で調査を行い、自ら近隣に聞き込みをしたりインターネットで調べたりすることまでは調査する必要がないとされています。
賃貸取引における告知については、次のような場合は告知しなくてよいとしています。
→ 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインについての詳細は、「国土交通省・最新の動きvol.156」を参照