トップ>不動産トピックス>一戸建て注文住宅の取得費は平均4,755万円、建て替え・買い替えが増加
(一社)住宅生産団体連合会はこのほど、「2016年度戸建注文住宅の顧客実態調査」を行い、調査結果の要約および考察を発表した。平成12年度から毎年1回実施しており、今年で17回目。調査対象エリアは、三大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)と地方都市圏(札幌市、仙台市、静岡市、広島市、福岡市)で、調査票への記入は住宅メーカーの営業担当者が行い、4,292件の有効回答を基に顧客実態を分析したもの。
一戸建て注文住宅の世帯主の平均年齢は41.0歳で、前年度(平成27年度)の41.2歳から0.2歳低下した(表)。年齢分布で見ると「例年どおり30歳代の割合が高く」、43.5%(「30~34歳」21.9%、「35~39歳」21.6%)を占めた。また、「ここ数年、25~29歳が増加傾向を示して」おり、前年度から0.2ポイント上昇の9.7%となった。60歳代の割合は5年連続で低下し、8.5%となった。
建て替え※1や買い替えなどの土地取得の状況を見ると、「建て替え」は28.9%(前年度27.7%)に、「買い替え」は6.3%(同5.6%)に上昇した。一方、「土地購入・新築」※2は50.5%(同53.1%)に低下。「買い替え」「土地購入・新築」「新たに借地・新築」を合わせた「更地に新築」は57.4%で、前年度の59.1%から低下する結果となった。
※1 「建て替え」は「従前居住地の古家を解体して新築」
※2 「土地購入・新築」は「新たに購入した土地に新築」
※(一社)住宅生産団体連合会 「2016年度戸建注文住宅の顧客実態調査」より抜粋
建築費の平均は3,454万円で、前年度の3,370万円から84万円の増加。土地代を含む住宅取得費の平均は4,755万円(前年度4,671万円)に、借入金の平均も3,893万円(同3,695万円)に増加した。住宅取得費の年収倍率は、前年度と同じ6.07倍で、借入金の年収倍率は4.34倍(同4.26倍)に上昇した。
また、長期優良住宅※4の割合は78.0%で(図)、前年度の79.7%から低下した。都市圏別に長期優良住宅の割合を見ると、東京圏が68.9%、名古屋圏が90.5%、大阪圏が83.8%、地方都市圏が78.3%となり、「東京圏の長期優良住宅が68.9%と低いのが目立つ」結果になった。
※4 長期優良住宅・低炭素住宅は、それぞれ所定の法律の基準を満たす住宅。長期にわたり良好な状態で使用することができる住宅や二酸化炭素の排出の抑制に効果がある住宅をいい、認定基準を満たす住宅には減税などの優遇措置がある。
※(一社)住宅生産団体連合会 「2016年度戸建注文住宅の顧客実態調査」より抜粋