トップ>不動産トピックス>一戸建ての平均価格、東京都では中古が新築を上回る“価格の逆転現象”
(株)東京カンテイはこのたび、「主要都市圏 新築と中古一戸建て住宅の供給動向」を発表した。同社が初めて新築・中古一戸建て住宅の価格と分譲・流通戸数の動きを調査したもの。集計期間は、新築・中古ともに平成26年4月~平成27年3月の1年間で、集計対象の住宅は、以下の(1)~(4)を満たす物件。
(1)敷地面積100~300㎡(2)最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内またはバス20分以内(3)木造(4)土地・建物ともに所有権
首都圏1都3県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)における平成27年3月の新築一戸建て住宅の平均価格は3,365万円(前月比0.4%上昇)で(図1)、平成26年4月の3,405万円からは1.2%の下落となった。都県別では、東京都が4,226万円(同0.7%上昇)、神奈川県が3,651万円(同1.1%下落)、千葉県が2,782万円(同1.8%上昇)、埼玉県が2,959万円(同1.5%上昇)となり、おおむね上昇傾向にある。
首都圏における中古一戸建ての平均価格は下落傾向で、平成27年3月は2,878万円(同0.2%下落)と、1月から3ヶ月連続の下落。都県別に見ると、東京都は5,162万円(同6.6%下落)、神奈川県は3,207万円(同1.0%下落)、千葉県は2,161万円(同15.6%上昇)、埼玉県は2,096万円(同0.7%上昇)で、首都圏全体では下落基調だが千葉県と埼玉県では上昇した。東京都では、中古一戸建て平均価格の方が新築一戸建てよりも高く、同社は「木造の注文住宅や土地や建物面積が広い物件が比較的多く流通しているため価格が新築よりも高くなるといった“価格の逆転現象”が起こっている」と見ている。
※(株)東京カンテイ 「首都圏 新築・中古一戸建て住宅価格推移」より抜粋して作成
近畿圏2府4県(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における平成27年3月の新築一戸建て住宅の平均価格は2,934万円(前月比0.7%上昇)で(図2)、平成26年4月の2,944万円からは0.3%の下落。府県別では、大阪府が3,013万円(同0.5%上昇)、兵庫県が2,976万円(同0.8%上昇)、京都府が3,408万円(同2.2%下落)となった。京都府は価格変動が激しく、平成26年11月(2,982万円)までは下落傾向だったが、12月は3,188万円、平成27年1月は3,227万円、2月は3,486万円と急激に上昇。「3月は高止まっている状態」と同社では見ており、「京都府は3府県の中でも最も新築戸数が少ないため物件に希少性あり、人気も高いために高額となっている」としている。
中古一戸建ての平均価格は2,339万円(同2.2%上昇)で、平成26年4月の2,316万円からは1.0%の上昇となった。同社では「中古市場における価格上昇は、広くて良質な一戸建て住宅へのニーズの現れであると見ることができる」としている。府県別では、大阪府が2,663万円(同3.9%上昇)、兵庫県が2,298万円(同3.4%下落)、京都府が2,708万円(同5.6%下落)となった。
※(株)東京カンテイ 「近畿圏 新築・中古一戸建て住宅価格推移」より抜粋して作成
中部圏4県(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)では、平成27年3月の新築一戸建て住宅の平均価格は2,909万円(同0.9%上昇)で(図3)、平成26年4月の2,913万円からは0.1%の下落。平成27年1月以降は「緩やかながら上昇傾向」だという。中部圏の中で最大の住宅市場を持つ愛知県では3,104万円(同0.5%上昇)で、名古屋市に絞って見ると3,823万円(同1.4%上昇)となった。愛知県は「他の圏域と異なり、一戸建て住宅へのニーズが依然として際立って高いため」価格は上昇傾向。また、福岡県は2,500万円(前月比0.5%下落)だった。
中古一戸建ての平均価格は2,040万円(前月比1.2%下落)で、平成26年4月の1,999万円からは2.1%の上昇。愛知県では2,530万円(同0.5%上昇)、名古屋市では3,900万円(同4.3%上昇)となった。また、福岡県は1,464万円(同3.0%下落)で、平成26年10月以降下落傾向が続いている。
※(株)東京カンテイ 「中部圏・福岡県 新築・中古一戸建て住宅価格推移」より抜粋して作成