トップ>不動産トピックス>フラット35利用者の世帯年収「400万円未満」が増加、総返済負担率は低下
住宅金融支援機構はこのたび、「平成24年度フラット35利用者調査報告」の結果を発表した。フラット35は、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している住宅ローン。フラット35利用者の社会的属性、住宅の概要、資金調達内訳などに関して調査を行い、平成24年度中に民間金融機関に対して承認を行ったもののうち、7万7,315件(注文住宅1万8,233件、土地付き注文住宅2万3,962件、新築一戸建て1万3,629件、新築マンション1万1,712件、中古一戸建て4,258件、中古マンション5,521件)について集計したもの。
→ フラット35の住宅ローンについて、詳しくは住宅金融支援機構のサイトを参照
利用者の年齢を見ると、30歳代が最も多く48.8%を占めたが、前年度(平成23年度)の51.4%から減少し、過半数を下回る結果となった(図1)。一方で、50歳代(前年度7.9%→8.6%)と60歳以上(同4.6%→6.1%)は、それぞれ増加している。
30歳代の占める構成比を、融資区分別(建て方別)に見てみると、注文住宅(同49.8%→46.4%)、土地付き注文住宅(同58.3%→54.5%)、新築一戸建て(同53.5%→50.9%)、新築マンション(同48.7%→44.5%)では減少したが、中古一戸建て(同40.0%→40.8%)と中古マンション(同40.1%→41.8%)では増加した。
家族数について見ると、最も多いのは「3人」(同29.5%→29.5%)で、次いで「4人」(同28.5%→27.4%)、「2人」(同23.0%→23.6%)の順となり、前年度から大きな変化はなかった。融資区分別に特徴を見てみると、「5人以上」が、注文住宅(同23.8%→26.0%)と土地付き注文住宅(同13.4%→15.3%)で増加した。一方、「2人」と「3人」は、中古一戸建てと中古マンションで増加。中古一戸建てでは、「2人」(同19.7%→23.5%)、「3人」(同27.6%→28.8%)、中古マンションでは、「2人」(同32.1%→35.0%)、「3人」(同28.3%→30.3%)とそれぞれ増加した。
※住宅金融支援機構 「平成24年度フラット35利用者調査報告」より抜粋
世帯年収について見ると、「400万円未満」が、前年度の17.4%から21.7%に増加している(図2)。融資区分別に見ても、注文住宅(同19.4%→22.0%)、土地付き注文住宅(同13.5%→16.8%)、新築一戸建て(同16.7%→23.5%)、新築マンション(同8.9%→13.3%)、中古一戸建て(同34.2%→45.8%)、中古マンション(同27.3%→37.3%)と、全ての区分で増加する結果となった。
年収に対する年間返済額の割合を表す「総返済負担率」については、「30.0%以上」が9.3%となり、前年度の11.3%から減少した。融資区分別に見ても、注文住宅(同7.4%→6.0%)、土地付き注文住宅(同16.5%→14.4%)、新築一戸建て(同14.9%→9.4%)、新築マンション(同10.6%→9.6%)、中古一戸建て(同4.7%→2.5%)、中古マンション(同4.3%→3.0%)の全ての区分で減少している。
「世帯年収の構成比が低年収層にシフトしているにもかかわらず、総返済負担率も低下している」ことについて、同機構では、「融資金利の低下(平成23年度平均2.32%から平成24年度平均1.97%へ)による影響が大きいと見られる」としている。
※住宅金融支援機構 「平成24年度フラット35利用者調査報告」より抜粋