トップ不動産基礎知識:売るときに知っておきたいこと4.不動産を売り出す:4-2 販売活動を開始する
不動産を売却するためには、売り出し価格を決める必要があります。
また、不動産会社は売り出し物件を広く周知させるために、様々な販売活動を行います。
それらの内容について、売主も理解しておくようにしましょう。
不動産の販売活動に当たって、まずは売り出し価格を決めなければなりません。一般的には、売主の希望価格と不動産会社の査定価格を踏まえて、売主が売り出し価格を設定します。売主が早く売りたいと思えば希望価格よりも査定価格に近い価格設定を、時間がかかっても高く売りたいと思うなら希望価格に近い設定をするでしょう。売却代金の一部を買い換えなどの資金に充てる必要があるなら、その点も考慮しなければなりません。
ただし、売り出し価格で売買が成立するとは限りません。購入を検討する方も、自分の購入希望価格と不動産会社の査定価格を踏まえて、購入申込価格を設定します。実際の売買交渉においては、売り出し価格と購入申込価格の差を解消して、売買価格を決定することになります。
販売活動を開始すると、購入希望者が物件の内覧に訪れます。そんなとき、掃除が行き届いていなかったり、荷物があふれて部屋が狭く見えたりしたら、せっかくの購入意欲も薄れてしまうかもしれません。不要な荷物を片づけ、掃除を念入りにしておくなど、好印象を与えられるように早めに準備をしておきましょう。
玄関 | 靴は靴箱にすべて入れておく。臭いがしないか確認。 |
---|---|
室内 | 不要なものは片づけるか思い切って捨てる。部屋の広さが分かるように見せるのがコツ。 |
浴室、トイレ | カビや水アカは除去しておく。臭いがしないか確認。 |
キッチン | 最低限、油汚れは落とす。特にキッチンの汚れは、印象を悪くする可能性がある。 |
バルコニー | 不要なものは片付け、洗濯物も取り込んでおく。 |
収納 | 見られてもいいように整理整頓しておく。 |
臭い | 家族では気がつかないのが室内の臭い。特にペットを飼っている場合には注意する。 |
外回り | 庭や敷地内の雑草を抜くなど手入れをしておく。 |
不動産の売り出しを開始したら、売却を依頼した不動産会社は具体的な販売活動を行います。その方法としては、「指定流通機構に登録する」「広告媒体に掲載する」「オープンハウスを実施する」などが挙げられます。具体的な販売活動を開始したら、物件見学などの問い合わせがあった場合に、売主と不動産会社とができる限り早く連絡をとって対応できる態勢を整えておくと、販売活動を円滑に行うことができます。
不動産会社は媒介契約に基づき、物件情報を指定流通機構に登録します。
指定流通機構とは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した不動産流通機構で、不動産会社間で物件情報を交換するためのコンピューターネットワークシステムを運営しています。 (通称「レインズ」と呼ばれています。)
指定流通機構には、ほとんどの不動産会社が加入していますので、幅広く購入者を探すことができます。
→ 「指定流通機構とは」を参照
※専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結して媒介を依頼した場合、売主がレインズの登録状況をインターネットで閲覧できるようになっています。詳しくは、「国土交通省・最新の動きVOL.86」を参照ください。
不動産会社は、不動産ジャパンのようなインターネット広告の他に、新聞の折り込み広告やダイレクトメールなどで集客活動を行います。
なお、不動産広告には、不動産業界が設定した不動産広告の表示に関する自主規制基準があります。これを、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」といい、適正な広告の表示基準を定め、誤解を招く恐れのある用語や根拠のない表現を規制しています。不動産会社の広告が、この表示規約に則っているかについては、売主も確認をしておいたほうがよいでしょう。
→ 「買う:5-2不動産広告の見方(基本編)」を参照
オープンハウスとは、誰にでも気軽に物件を見に来てもらうためのイベントです。購入希望者にとっては事前に連絡をしてから見に行く手間や煩わしさがないため、広く購入希望者を募る手段として活用されています。オープンハウスを開催するときには、事前に不動産会社が宣伝のために広告を配布する、現地看板などで案内するなどの集客活動を行います。