トップ>不動産トピックス>2021年10~12月の住宅景況感、総受注戸数はマイナス、総受注金額はプラスに
2022年3月2日
(一社)住宅生産団体連合会(以下、住団連)はこのたび「経営者の住宅景況感調査(令和3年度第4回)」を発表した。住団連および住団連団体会員の法人会員を対象として、低層住宅に関する経営者の住宅景況感を調査し、15社の回答を得たもの。1993年10月から年4回実施しており、今回の調査対象は2021年10~12月(2021年度第3四半期)。2022年1月にアンケート調査を行った。
調査では、(1)一戸建て注文住宅(2)一戸建て分譲住宅(3)低層賃貸住宅(4)リフォームの事業について、それぞれの受注戸数・受注金額の直近3ヶ月間の実績・向こう3ヶ月間の見通しを、前年同期と比べ「10%程度以上良い」「5%程度良い」「変わらず」「5%程度悪い」「10%程度以上悪い」の5段階でたずね(リフォームについては金額のみ)、景況感指数※1を算出した。
2021年10~12月における実績の景況感指数は、総受注戸数がマイナス9(前期(2021年7~9月)マイナス9)で(図1)、総受注金額がプラス36(同プラス36)となった(図2)。向こう3ヶ月(2022年1~3月)の見通しは、総受注戸数はプラス9、総受注金額はプラス23で、「4期連続プラスの見通し」となった。なお、比較対象である前年(2021年)同時期は、1都3県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に対して1月8日から2度目の緊急事態宣言が出された時期である。
一戸建て注文住宅では、受注戸数がマイナス39(同プラスマイナス0)、受注金額がマイナス15(同プラス31)となった。なお、実績期間の2021年10~12月は、「住宅ローン減税における控除期間13年の特例措置が9月末で契約期限(注文住宅)を迎えた直後の時期に該当する」という。向こう3ヶ月の見通しは、受注戸数はプラス18、受注金額はプラス31で、「4期連続でプラスの見通し」となった。
一戸建て分譲住宅では、受注戸数はマイナス56(同マイナス56)、受注金額はマイナス44(同マイナス50)で、2期連続のマイナスとなった。向こう3ヶ月の見通しは、受注戸数・受注金額ともにマイナス11で、「3期連続でマイナスの見通し」となった。住団連では、「一戸建て注文住宅の見通しが4期連続プラスであるのに対し、一戸建て分譲住宅の見通しは厳しいものとなった」としている。
低層賃貸住宅では、受注戸数はプラス23(同マイナス9)、受注金額はプラス36(同プラス9)だった。向こう3ヶ月の見通しは、受注戸数はプラス14、受注金額はプラス18で、「前期のマイナス予想から一転し、プラスの見通し」となった。
リフォームでは、受注金額がプラス35(同マイナス8)だった。向こう3ヶ月の見通しは、受注金額がプラス42で、「4期連続のプラス」の見通しとなった。
※1 「良い」の割合から「悪い」の割合を差し引いた値を指数化したもので、最大が「プラス100」、最小が「マイナス100」。全回答が「10%程度以上良い」の場合、指数はプラス100に、全回答が「10%程度以上悪い」の場合、指数はマイナス100となる。
出典:(一社)住宅生産団体連合会 「経営者の住宅景況感調査(令和3年度第4回)」
2021年度の新設住宅着工戸数の予測を聞いたところ、回答した15社の平均は、総戸数83.8万戸(前回(2021年10月調査時)82.8万戸)だった。利用関係別で見ると、持ち家は27.7万戸(同27.2万戸)、分譲住宅は24.5万戸(同24.7万戸)、賃貸住宅は30.9万戸(同30.3万戸)となった。
また、向こう6ヶ月間の住宅メーカーの経営指標となる「所得の伸び」「家賃の動向」「金利の動向」「資材価格」「建築の手間賃」「地価の動向」「展示場来場者数」「技能職人(大工)」について聞いたところ※2、2021年7月度調査と比べ、「所得の伸び」では「上がる」が0社から2社に増加した。「家賃の動向」「金利の動向」「資材価格」「建築の手間賃」では変化はなかった。「地価の動向」では「安定化」が9社から12社に増加した。「展示場来場者数」では「増える」が2社から1社に、「変わらず」が8社から6社に減少した一方で、「減る」が5社から7社に増加し、「見通しが悪化」した。「技能職人(大工)」では、「充足」が8社から5社に減少し、「不足」が7社から10社に増加した。
※2 「所得の伸び」「家賃の動向」「金利の動向」「資材価格」「建築の手間賃」では「上がる」「変わらず」「下がる」のいずれか、「地価の動向」では「上がる」「安定化」「下がる」のいずれか、「展示場来場者数」では「増える」「変わらず」「減る」のいずれか、「技能職人(大工)」では「過剰」「充足」「不足」のいずれかを聞いた。