トップ>不動産トピックス>相続登記の義務化、空き家所有者の認知度は2割強。義務化後は4人に1人が売却を検討
2021年9月1日
(株)カチタスはこのたび、「第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)」の結果を発表した。全国の空き家を所有している20歳以上の男女を対象として、2021年7月28~29日にインターネット調査を実施し、963人の有効回答を得たもの。
空き家の建物形態を複数回答で聞いたところ、一戸建て(78.1%)が最も多く、次いで、マンション(17.0%)、アパート(5.4%)の順となり、一戸建てはマンションの4倍以上となった。
2021年4月21日に成立した不動産登記法の改正法により、相続の開始を知って、かつ、所有権を取得したと知った日から3年以内に所有権移転登記を行うことが義務化される(相続登記義務化)※1が、その認知度は23.2%で、「知らない」と回答した人は76.8%にのぼった。
「相続登記義務化」が2024年をめどに施行される際、現時点における対策検討状況を単一回答で聞いたところ、「まだわからない」(44.8%)が最も多く(図1)、次いで「売却をする」(25.5%)、「家族で対策を考える」(11.9%)の順となり、4人に1人が売却を検討していることがわかった。
また、空き家の相続について、家族と対話があるかを単一回答で聞いたところ、「ある」が33.3%、「ない」が66.7%となり、約7割が、家族や親族と話していないことがわかった。
※1 正当な理由がないのにも関わらず、この申請を怠った時は、10万円以下の過料を求められる。
出典:(株)カチタス 「第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)」
空き家の売却時に、売却先に求めることを複数回答で聞いたところ、「信用・信頼できる」(68.3%)が最も多く(図2)、次いで「高く買ってくれる」(41.0%)、「家の中にある家具や家電など残置物も処理をしてくれる」(28.0%)の順となった。1位の「信用・信頼できる」は、「年代別に見ると50歳以上の世代は極めて数値が高く、中でも55歳~59歳は83.5%が売却先に『信頼・信用』を求めている」という。
なお、コロナ禍における空き家所有者の意識・行動変化を見てみると、売却検討状況(単一回答)では、22.7%が売却を検討しており(「早期に売却を検討している」11.3%、「売却を具体的に進めたいと思っている」11.4%)、移住検討状況(単一回答)では、13.7%が移住を考えている(「コロナ禍で初めて移住を意識することが増えている」7.9%、「コロナ禍で初めて移住を具体的に検討している」5.7%)ことがわかった。
二拠点居住検討状況(単一回答)では、16.2%が二拠点居住を考えている(「コロナ禍で初めて二拠点での居住を意識することが増えている」11.3%、「コロナ禍で初めて二拠点での居住を具体的に検討している」4.9%)ことがわかった。また、二拠点居住を検討している264人の70.5%が一戸建てを希望(一戸建て(新築)45.5%、一戸建て(中古)25.0%)しており、所有方法としては、「移住・二拠点居住を検討している78.4%が購入を希望」しているという。
出典:(株)カチタス 「第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)」