トップ>不動産トピックス>注文住宅検討者のエリア選びの重視点や取り入れたい間取り、首都圏ではコロナ禍で変化
2020年12月9日
(株)リクルート住まいカンパニーはこのたび、「2020年 注文住宅動向・トレンド調査」の結果を発表した。注文住宅の建築者や検討者(建築予定者)の意識・行動を把握するため、2020年7月31日~8月11日に全国でインターネット調査を行い、1年以内に一戸建て(新築・建て替え注文住宅)の建築をした建築者1,884人および、今後2年以内に一戸建て(新築・建て替え注文住宅)の建築を検討している検討者1,874人の有効回答を得たもの。
まず、建築者に、家づくりの建築費用(土地代を除く)について自由回答で聞いたところ、平均は2,879万円(前年(2019年)2,902万円)で、「2年連続増加傾向にあったが、今年は前年より23万円減少」した。建築者(首都圏)では平均3,065万円(同3,034万円)で、前年より31万円増加した。
ZEHの導入検討状況を見ると、ZEHの認知者のうち「導入した」が21.8%(前年20.6%)となり、「過去最高の導入率」となった。
次に、検討者のうち、新規建築(建て替えを除く)を検討している1,639人に、家づくりを考えたきっかけを複数回答で聞いたところ、「いつかは一戸建てに住みたいと思っていた」(24.2%、前年25.5%)が最も多く、次いで「子どもが誕生した」(同21.5%、25.2%)、「結婚」(同20.9%、22.4%)の順となった。「いつかは一戸建てに住みたいと思っていた」は、「2017年以降減少傾向」だが、首都圏の新規建築検討者では21.3%と、前年の17.1%から増加しており、同社では「首都圏では、リモートワークや子どもの休校等によって、家族全員で自宅にいる時間が増えたことにより、自宅を手狭に感じ、注文住宅を検討したと考えられる」としている。
また、新規に土地を取得した全国の検討者に、エリア選びの重視点を複数回答で聞いたところ、「治安が良い」(52.9%、前年54.4%)が最も多く(図1)、次いで「小学校との距離」(同37.4%、41.6%)、「閑静な住宅地である」(同31.9%、33.7%)の順となった。首都圏では、「前年に比べ『最寄駅からの距離が近い』が9.0ポイント、『治安が良い』が7.3ポイント、『職場との距離』が7.1ポイントと大きく減少」しており、同社では「首都圏では『最寄駅からの距離』の優先度は依然高いものの、リモートワークに切り替えた企業も多く、通勤の利便性を重視する人が減ったと考えられる」としている。
出典:(株)リクルート住まいカンパニー 「2020年 注文住宅動向・トレンド調査」
全国の検討者に、取り入れたい間取りを複数回答で聞いたところ、「ウォークインクローゼット」(34.1%、前年40.9%)が最も多く(図2)、次いで「カウンターキッチン」(同29.7%、32.6%)、「パントリー(キッチン付近に設置された大容量の収納)」(同28.9%、30.0%)の順となった。首都圏では、「ウッドデッキ」(同12.2%、9.4%)、「回遊動線(玄関/キッチン/洗面室回遊・キッチン/バス回遊などの間取り)」(同11.6%、6.8%)、「高い天井高」(同11.0%、8.9%)、「広いテラス・バルコニー」(同11.0%、6.3%)、「吹き抜け」(同9.8%、7.5%)などが増加しており、同社では「首都圏では、外出自粛等の影響で『屋外・開放感』を自宅でも感じられる間取りを検討する人が増えたと考えられる」としている。
検討者のうち、リモートワークを実施していた(している)839人に、リモートワークを意識して取り入れたいことを複数回答で聞いたところ、「仕事用の部屋をつくる」(33.6%)が最も多く、次いで「リビングの広さを広くする」(22.2%)、「部屋の一角に仕事用のスペースをつくる」(19.7%)の順となった。
また、検討者に、防災に関する意識を単一回答で聞いたところ、「意識している」は82.8%(「かなり意識している」35.6%、「意識している」47.2%)となった。「意識している」と回答した人に、取り入れたい防災対策を複数回答で聞いたところ、「地震に強い地盤」(70.9%)が最も多く、次いで「地震に強い構造(耐震・免震)」(55.9%)、「水害(土砂崩れや川の氾濫など)が起きづらい土地」(46.7%)の順となった。
出典:(株)リクルート住まいカンパニー 「2020年 注文住宅動向・トレンド調査」