トップ>不動産トピックス>住まい領域の2020年トレンドキーワードは、テレワークを前提とした「職住融合」と予測
2020年2月5日
(株)リクルートはこのたび、飲食、雇用(アルバイト、シニア、派遣)、住まい、進学、自動車の7領域における2020年のトレンド予測を表す「2020年のトレンド予測キーワード」を発表した。ここでは、住まい領域のキーワードについて紹介する。
住まい領域における2020年のトレンドキーワードは、「テレワークを前提とした家選びや街選びの潮流」が生まれているとして、「職住融合」を挙げた。
同社では、「テレワークの普及により、働く場所が多様化」しており、「自宅の間取りの一部をオフィス仕様にする『家なかオフィス化』や、街の中のコワーキングで仕事する『街なかオフィス化』が生まれている」と見ている。さらに、「職住の距離の制約が薄まる中で、職場に縛られない『街選びの自由化』が進む兆しも」あるとしている。
同社はその背景として、まず、政府が東京2020オリンピック・パラリンピックに向けてテレワークを推進しており、2020年にはテレワーク導入企業を2012年度(11.5%※1)比で3倍にするとの政府目標を設定していることを挙げた。さらに、(株)リクルート住まいカンパニーが実施した「テレワーク×住まいの意識・実態調査 2019年」※2によると、会社員・公務員の17%がすでにテレワークを実施しており、テレワークをきっかけに70%が自宅を仕事に適した環境に整えていること、テレワークをきっかけに引っ越しを実施・検討・希望している人が53%にのぼっていることを挙げた。
※1 総務省「平成24年通信利用動向調査」(2013年6月14日公表)より ※2 調査対象は、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・群馬県・茨城県・栃木県・山梨県・長野県在住で、職業が「会社員または公務員」、通勤時間が300分未満の20~64歳の男女
同社では、この背景を受けて、「快適なワークスペースを自ら自宅に作る動き」(図1)や「快適なワークスペースを住宅事業者が提案する動き」といったトレンドがあるとして、それぞれの事例も紹介している。
また、「テレワーク×住まいの意識・実態調査 2019年」によると、テレワークが導入/促進された場合に通勤時間が長くなっても引っ越しを検討する人が57%おり、同社では「テレワーク活用をきっかけに、都心から郊外へ引っ越しする動き」もあり、「テレワークが進むことで郊外のベッドタウンが働ける街となる」可能性も指摘している。
さらに、同調査で生活満足度を10段階評価で聞いたところ、テレワーク実施前の生活満足度が「6.2」であるのに対し、テレワークをきっかけに引っ越しと自宅整備を実施した人では「7.2」と、16%上昇した(図2)。なお、テレワーク実施者に、テレワークを実施して「良かった」と感じている点を複数回答で聞いたところ、「通勤時間が減った」(45%)、「ストレスが減った」(22%)などが多く、引っ越し実施者では「通勤時間が減った」(31%)、「子ども/家族との時間が増えた」(30%)などが多かったという。
※(株)リクルート 「2020年のトレンド予測キーワード」
なお、住まい以外の領域の2020年のトレンドキーワードとして、「おもて無グルメ」(飲食領域)、「アルダイバー」(雇用領域(アルバイト))、「健朗シニア」(雇用領域(シニア))、「出勤オフ派遣」(雇用領域(派遣))、「ワクモチ進路」(進学領域)、「らしさCAR」(自動車領域)を予測している。