トップ>不動産トピックス>首都圏の新築分譲マンション、駐車場設置率は低下傾向
(株)不動産経済研究所はこのたび、「首都圏の新築分譲マンション 駐車場設置率の数」を発表した。首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)における新築分譲マンションの駐車場設置率の動向を調査したもの。
調査によると、「首都圏マンションの駐車場設置率は77.3%に達した平成19年をピークに年々低下しており、平成29年(1~6月)は42.2%にまで落ち込んでいることが分かった」という。
首都圏における新築分譲マンションの駐車場設置率の推移を見ると、平成15年は、総発売戸数8万3,183戸のうち駐車場は5万6,555台分で(図1)、駐車場設置率は68.0%だった。その後、平成17年には72.0%と70%を超え、平成18年には75.2%、平成19年には77.3%と上昇を続けた。しかし、平成20年に72.1%と低下に転じると、以後は低下し続け、平成23年には56.4%と60%を下回り、平成25年には48.6%と50%を割り込んだ。平成29年上半期(1~6月)も低下傾向には歯止めがかからず、総発売戸数1万4,730戸のうち駐車場は6,218台分で、駐車場設置率は42.2%にまで低下する結果となった。
※(株)不動産経済研究所 「首都圏の新築分譲マンション 駐車場設置率の数」
エリア別に見ると、都区部(東京23区)は、平成19年は総発売戸数1万6,563戸のうち駐車場は9,273台分で、駐車場設置率は56.0%となり「ピークを記録した」が(図2)、平成21年には47.1%と50%を下回った。その後も低下を続け、平成28年には28.9%と30%を下回っている。平成29年上半期は29.5%と「下げ止まりの傾向が見られるものの、30%には届いていない」という。
都下も「平成20年に73.3%と80%を下回って以降、設置率は低下傾向が続き」、平成29年上半期は46.5%と「都区部以外では初めて50%を下回る」結果となった。
「その他のエリアも駐車場設置率の低 下傾向は同様」だといい、神奈川県は平成26年以降、埼玉県は平成25年以降、設置率が50%台にとどまっている。千葉県は他のエリアに比べて駐車場の設置率が高いが、70%台で推移していた平成23~27年から、平成28年には64.1%に低下。平成29年上半期は61.9%となり、同研究所では「上向く気配は見られない」と見ている。
同研究所では、「都区部を中心に常に車を必要としないというライフスタイルが一般的になったことに加え、平成25年以降のマンション価格の上昇によって、車を所有せずにその費用を住宅ローンの支払いに割り当てる世帯、または車を手放してマンションを買い換える世帯などは、利便性の高い駅近の物件などで増加している」と見ており、「今後もそのような傾向が一層強くなることが予想される点、またカーシェアリングなどが普及している点などから、駐車場の設置率は緩やかに低下を続けるものと思われる」としている。
※(株)不動産経済研究所 「首都圏の新築分譲マンション 駐車場設置率の数」より抜粋して作成