トップ>不動産トピックス>全国の景気DIは2ヶ月連続で改善、不動産・建設は前月よりわずかに悪化
(株)帝国データバンクはこのたび、「TDB景気動向調査-2017年3月調査結果-」を発表した。平成29年3月17~31日に全国の2万3,929社を対象として調査を実施し、1万305社の有効回答を得たもの。
平成29年3月の景気DI※は46.2(前月比0.8ポイント増)で(表)、2ヶ月連続で改善する結果となった。業界別では、「製造」が46.3(同0.9ポイント増)で2ヶ月連続での改善、「小売り」が41.1(同0.2ポイント増)で5ヶ月連続での改善となった。人材派遣、飲食店、旅館・ホテル、娯楽サービスなどを含む「サービス」は50.4(同1.3ポイント増)で、7ヶ月連続での改善となり、1年7ヶ月ぶりに50台を回復した。同社では「国内景気は、自動車関連の好調や人手不足対策の需要増加などを追い風に回復傾向が続いた」と見ている。
今後については、「米トランプ政権が及ぼす影響を注視しつつも、今後の景気は好調な輸出や五輪に向けた建設投資の本格化を背景に、緩やかな回復が続くことが見込まれる」としている。
※DI(ディフュージョン・インデックス)は、企業による「非常に悪い」「悪い」「やや悪い」「どちらともいえない」「やや良い」「良い」「非常に良い」の7段階の判断を元に算出したもの。0~100。50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味する。
※(株)帝国データバンク 「TDB景気動向調査-2017年3月調査結果-」
「不動産」の景気DIについては、49.4(前月比0.5ポイント減)で「5ヶ月ぶりに悪化」する結果となった。同社は「低金利の追い風は続いているものの、不動産価格の高止まりに加え、徐々に今後の金利上昇を懸念する見方が増してきた」としている。また、「貸事務所業からは『空きテナントの入居がなかなか決まらない』などの声も聞かれる」といい、「上向いていた不動産業界の景況感に一服感が表れた」とも見ている。
「建設」は49.3(同0.2ポイント減)で、企業からは「公共工事の発注が多くなった」「賃貸住宅のリノベーション需要が大きい」といった声もあったが、「公共投資の発注が国直轄工事を中心にA級(大規模業者)に偏っており、小規模業者は受注機会が少ない」「施工技能者が不足している」という声も寄せられたという。