トップ>不動産トピックス>入浴中の事故死、12~2月の冬季に多く発生。高齢者は特に注意が必要
消費者庁はこのたび、「News Release 冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」を発表し、高齢者の入浴中の事故に注意を促した。
厚生労働省の人口動態統計によると、家庭の浴槽での溺死者数※1は、平成27年は4,804人で、平成16年の2,870人と比べ、11年間で約1.7倍に増加した。このうち65歳以上は92%と(図1)、高齢者が約9割を占めている。
また、東京都の「東京都23区における入浴中の事故死の推移」によると、溺死を含む入浴中の事故死※2は、東京都23区においては平成26年に1,442件が発生。10年間の平均人数を月ごとに見ると、「冬季に多く発生している傾向が見られ、12月から2月にかけて、年間の事故数全体の約5割が発生している」という(図2)。
※1 人口動態統計から「W65 浴槽内での溺死及び溺水」と「W66 浴槽への転落による溺死及び溺水」のうち外因の発生した場所を示す細分類「.0 家(庭)」を集計
※2 脱衣所、洗い場、湯船に漬かっている、その全行為時における死者数を集計
※消費者庁 「News Release 冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」
消費者庁では、安全に入浴するため、以下の点に注意するよう呼び掛けている。
(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。
(2)湯温は41度以下、湯に漬かる時間は10分までを目安にしましょう。
(3)浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
(4)アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控えましょう。
(5)精神安定剤、睡眠薬などの服用後入浴は危険ですので注意しましょう。
(6)入浴する前に同居者に一声掛け、同居者は、いつもより入浴時間が長いときには入浴者に声掛けをしましょう。
また、入浴者の異常を発見した場合の対処法として、以下を挙げている。
(1)浴槽の栓を抜く。大声で助けを呼び、人を集める。
(2)入浴者を出せるようであれば浴槽内から救出する。直ちに救急車を要請する。(出せないようであれば、蓋に上半身を乗せるなど沈まないようにする。)
(3)浴槽から出せた場合は、肩を叩きながら声を掛け、反応があるか確認する。
(4)反応がない場合は呼吸を確認する。
(5)呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始する。
(6)人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す。できなければ胸骨圧迫のみ続ける。