トップ>不動産トピックス>30-40代ファミリー、平成5年に比べて夫の家事参加は増加、子どもの家事参加は減少
東京ガス(株)都市生活研究所はこのたび、「ミニレポート:30-40代ファミリーの変化~家事する夫、家事しない子供~(生活定点観測調査1993~2014より(4))」を発表した。同研究所が平成2年から3年ごとに実施している「生活定点観測調査」の中から、「30-40代ファミリー」(一都三県在住・既婚で子どものいる30~40代の男女)の家事の実態・意識の変化についてまとめたもの。第2回(平成5年)調査では2,826人、第5回(平成14年)調査では2,336人、第9回(平成26年)調査では4,295人の有効回答を得た。
30-40代ファミリーの女性に、「夫は家事をどれくらいするか」を単一回答で聞いたところ、「料理、片付け、掃除、家計管理のすべての家事で、平成5年に比べて夫の家事参加が増加していることが分かった」という。特に、風呂掃除と家計管理では、「主に担当」する夫がそれぞれ15.4%・14.8%となり、約15%を占める結果となった(図1)。同研究所では、「このように夫の家事参加が進んでいるのは、共働き化が進んだからだけではなく、専業主婦家庭でも同様である」としており、「この変化の背景には、男女平等意識の広がりから、家事は性別にかかわらず行うもの、と考える人が若年層を中心に多くなっていることが考えられる」と見ている。
※東京ガス(株)都市生活研究所 「ミニレポート:30-40代ファミリーの変化~家事する夫、家事しない子供~」
30-40代ファミリーの女性に、「子どもは家事をどれくらいするか」を単一回答で聞いたところ、「食料品などの買い物、料理、掃除のすべてで、平成5年に比べて子どもの家事参加が減少している」ことが分かった。平成26年調査では、食料品などの日常の買い物、料理、掃除、風呂掃除のすべてで「ほとんどやらない」が7割近くを占めており(図2)、「『お手伝い』をほとんどしない子どもが多数を占めるようになっていることが分かる」結果となった。
子どもが家事を「ほとんどやらない」割合を「末子が小学生以下」の場合と「末子が中学生以上」の場合で比べたところ、平成5年から平成26年までの変化は、「末子が小学生以下」では、食料品などの日常の買い物のみ「約12ポイント『やらない』子どもが増えている」が、料理、掃除、風呂掃除ではほとんど変化がなかった。一方、「末子が中学生以上」では、「平成5年はすべての家事で『ほとんどやらない』子どもは半数以下だったが、平成26年ではいずれも約7割と、約20ポイント増加」する結果となった。同研究所では、「平成5年には大きくなるにつれて家事を手伝う子どもが多くなっていたのが、平成26年では中学生以上になっても、小学生以下と同程度、またはそれ以下しか家事を手伝う子どもがいなくなったことが分かる」と指摘し、その理由を他の調査結果も参考にして、同居している限り「家事は親任せの人が多いようだ」と見ている。
※東京ガス(株)都市生活研究所 「ミニレポート:30-40代ファミリーの変化~家事する夫、家事しない子供~」