トップ>不動産トピックス>マンションの年収倍率、新築は全国平均7.66倍に、中古も5.18倍に拡大
(株)東京カンテイはこのたび、「都道府県別 新築・中古マンションの年収倍率2016」を発表した。年収倍率とは、各都道府県で販売された新築・中古(築10年)マンションの70㎡換算価格を平均年収で除し、マンション価格が年収の何倍に相当するかを算出したもの。年収倍率が低いほど買いやすく、反対に数値が高いほど買いにくいことを示している。なお、年収は各都道府県「県民経済計算」を基に予測値を使用したもの。
平成27年における新築マンションの年収倍率は、全国平均で7.66倍となり(表1)、前年(平成26年)の7.17倍から0.49拡大した。6年連続で拡大しており、平成4年の水準(7.64倍)を上回る結果となった。新築マンション価格(70㎡換算)は3,288万円で、前年の3,069万円より219万円上昇したが、平均年収は429万円で、前年の428万円より1万円しか上昇しなかったことから、同社では「新築マンションが買いにくい状況に改善の兆しは見られない」としている。全国で最も年収倍率が高いのは神奈川県の11.70倍で、東京都(11.30倍)を上回った。最も低いのは栃木県の5.40倍だった。
圏域別に見ると、首都圏では、マンション価格が5,616万円(前年4,985万円)に上昇し、年収倍率は10.99倍(同9.68倍)に拡大した。埼玉県は10.33倍、千葉県は10.43倍で、1都3県の全てで10倍を超えたのは、バブル期以来だという。
近畿圏では、平均年収が451万円(同447万円)に上昇したが、マンション価格も3,785万円(同3,553万円)に上昇したため、年収倍率は8.39倍(同7.95倍)に拡大。「直近の最高値を更新」する結果となった。
中部圏でも、平均年収が446万円(同435万円)に、マンション価格も3,174万円(同2,930万円)に上昇し、年収倍率は7.12倍(同6.74倍)に拡大した。
※(株)東京カンテイ 「新築マンション年収倍率」より抜粋
築10年の中古マンションの年収倍率は、全国平均で5.18倍となり(表2)、前年の4.92倍から0.26拡大した。「これまでは4倍前後で安定推移していたが、平成23年以降は価格上昇に伴って拡大傾向へと移行している」という。新築マンションとの差は2.48で、「新築に対する割安感が強まっている」と同社では見ている。一方で「価格水準自体は過去のバブル期に匹敵するほど高まってきている」とも指摘している。全国で最も年収倍率が高いのは東京都の8.57倍で、最も低いのは山口県の3.69倍だった。
圏域別に見ると、首都圏では、平均年収が511万円(前年515万円)に低下し、中古マンション価格が3,420万円(同3,235万円)に上昇したため、年収倍率は6.69倍(同6.28倍)に拡大した。東京都では前年から0.96拡大しており、直近の最高値(平成20年の7.69倍)を大きく上回る結果となった。神奈川県も6.82倍(同6.38倍)に拡大した一方、埼玉県(前年5.41倍→5.47倍)や千葉県(同5.26倍→5.20倍)は「さほど変化しておらず、水準自体も全国平均とほぼ同程度であることから、年収見合いでの負担感も小さく比較的買いやすい地域」と同社では見ている。
近畿圏では、平均年収が451万円(前年447万円)に上昇したが、マンション価格も2,590万円(同2,439万円)に上昇したため、年収倍率は5.74倍(同5.46倍)に拡大した。京都府は7.53倍(同7.27倍)で、圏域内では最も高い。大阪府は5.51倍(同5.14倍)で「圏域平均を下回る水準で推移し続けて」おり、京都府・大阪府・兵庫県の中では「年収見合いで相対的に買いやすい状況を維持している」という。
中部圏では、平均年収が446万円(同435万円)に、マンション価格が2011万円(同1,823万円)に上昇し、年収倍率は4.51倍(同4.19倍)に拡大した。愛知県は4.59倍(同4.63倍)で、圏域内では唯一縮小する結果となった。
※(株)東京カンテイ 「中古(築10年)マンション年収倍率」より抜粋