トップ>不動産トピックス>住宅に関する電話相談は前年度比で約8%増加、専門家との対面相談は約37%増加
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターはこのたび、「住宅相談統計年報2015(2014年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析)」を発表した。同センターでは、住宅に関する様々な相談に一級建築士が対応する電話相談をはじめ、弁護士や建築士などの専門家による対面相談や、リフォーム見積チェックサービス等を行っており、平成26年度中に受け付けたこれらの業務状況について、件数や内容等をまとめたもの。
平成26年度の新規相談件数※1は、前年度(平成25年度)の2万4,216件から7.9%増加し、2万6,136件だった(図)。内訳は、「新築等住宅に関する相談」(1万6,831件)が前年度比10.7%の増加、「リフォームに関する相談」(9,305件)が同3.2%の増加となった。
寄せられた相談のうち、トラブルが生じているケースは1万9,507件(「新築等住宅に関する相談」1万3,239件、「リフォームに関する相談」6,268件)で、74.6%を占めた。トラブルに対して、相談者が希望している解決内容(同1万2,663件、6,006件)は、新築等相談では「修補」(53.1%)、「損害賠償」(11.5%)、「修補と損害賠償」(8.2%)の順、リフォーム相談では「修補」(41.5%)、「損害賠償」(16.0%)、「契約解消」(11.2%)の順となった。
相談件数のうち具体的に不具合が生じている場合(「新築等相談」(1万21件)「リフォーム相談」(4,544件))の不具合事象について(表)は、新築等相談のうち一戸建て住宅(8,008件)では「ひび割れ(当該事象が多くみられる部位:外壁、基礎)」、「雨漏り(同:屋根、外壁、開口部・建具)」、「変形(同:床、開口部・建具)」の順、共同住宅等(1,376件)では「雨漏り(同:屋根、外壁)」、「ひび割れ(同:内壁)」、「漏水(同:給水・給湯配管、排水配管)」の順に多かった。リフォーム相談のうち一戸建て住宅(3,451件)では「雨漏り(同:屋根、外壁)」、「はがれ(同:外壁、屋根)」、「ひび割れ(同:外壁、屋根)」の順、共同住宅等(844件)では「変形(同:床、開口部・建具)」、「はがれ(同:床、内壁、内装)」、「漏水(同:給水・給湯配管、排水配管)」の順に多かった。
※1 相談の第1回目の件数
※(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター 「住宅相談統計年報2015」より抜粋して作成
平成22年度より開始したリフォーム見積チェックサービスでは、「事業者から取得したリフォーム見積書の見方がわからない」といった消費者からの相談を電話で受け付けており、希望に応じて見積書の送付を受け、内容をチェックし助言を行っている。平成26年度は前年度の911件から11.3%減少の808件の相談を受け付け、このうち66.1%にあたる534件で実際に見積書の送付を受けた。見積書は、相談者の69.5%が1社、14.0%が2社、16.5%が3社以上から取得しており、2社以上から取得した相談者は30.5%だった。相談内容は「単価や合計金額は適正か」(93.2%)が最も多く、次いで「工事内容や工事項目は適切か」(64.7%)、「事業者の選定はどのようにすればよいか」(11.2%)の順となった。
また、同センターでは平成22年4月から、弁護士や建築士による専門家相談(無料対面相談)を実施している※2。平成26年度の相談件数は、前年度の1,319件から36.9%増加し、1,806件(一戸建て住宅82.3%、共同住宅等17.7%)となった。
※2 相談の対象者は、評価住宅(建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅)および保険付き住宅(住宅瑕疵(かし)担保責任保険が付された住宅)の取得者または供給者、住宅リフォーム工事の発注者または発注予定者。ただし、対象者以外は有料での相談が可能。