トップ>不動産トピックス>持ち家50歳以上の「住み続け派」のリフォーム予算額390万円、「住み替え派」の予算額3,753万円
(株)長谷工総合研究所はこのたび、「持家長期継続居住者の住宅に対する意識調査」の要約版を発表した。同社と(一財)ハウジングアンドコミュニティ財団が共同で、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で同一の持ち家に20年以上継続して居住する50歳以上の男女を対象として実施した、今後の住宅に対する意識調査の結果から、住み続ける・住み替えるためのコストについて分析し、結果をとりまとめたもの。
※予備調査では、首都圏で持ち家に居住する50~79歳の男女(世帯主または配偶者)8,700人を対象として、平成27年1月9~13日にインターネット調査を実施した。本調査では、予備調査の回答内容を基に平成27年1月14~16日にインターネット調査を行い、1,110人の有効回答を得た。
予備調査において、今後の住み替え意向を聞いたところ、「今後、住み替え意向あり」と回答した人の割合は15.8%で、約84%は住み替え意向がなく、現在居住する住宅に住み続けたい「住み続け派」であることが分かった。
本調査において、住み替え意向のない「住み続け派」(542人)に、これからも住み続けることになる住宅に対する意向を聞いたところ、「約70%が現在の住宅のまま住み続けたいと回答したものの、一戸建てでは約29%、マンションでは約25%がリフォームや建て替えなど、住宅に何らかの手を加えることを検討している」という。リフォームのための予算額は、平均で390万円(一戸建て451万円、マンション340万円)だった。リフォーム費用の捻出・調達方法を複数回答で聞いたところ、「貯蓄」(79.4%)が最も多く(図1)、次いで「借入金(親子リレーローンを含む)」(14.7%)、「有価証券等の資産売却」(11.8%)の順で、「『貯蓄』を切り崩して充当という回答が8割近くを占める」結果となった。
※(株)長谷工総合研究所 「CRI 2015年9月号(No.445)」
一方、住み替え意向のある「住み替え派」(568人)のうち、「持ち家へ住み替えたい」と回答した人に、具体的に想定する予算額を聞いたところ、平均で3,753万円だった。持ち家に住み替えるための資金の調達方法を複数回答で聞いたところ、「貯蓄」と「現在の住まいの売却」がともに6割程度を占めた(図2)。同社では、「持ち家への住み替えには現在居住する住宅の売却価格が重要なファクターとなっている」と見ている。
住み替え意向の有無に関わらず、調査対象者全員に自宅の売却価格の把握状況を聞いたところ、「おおむねの相場を把握している」が約半数を占めた。
※(株)長谷工総合研究所 「CRI 2015年9月号(No.445)」
リフォームや建て替え・売却など、具体的な行動を起こす場合には専門家への相談が不可欠であることから、住宅に関する具体的な相談先や仕事の依頼先の有無を聞いたところ、本調査全体(1,100人)では、「具体的な相談先、依頼先がある」は30.7%、「具体的な相談先、依頼先がない」は69.3%となった(図3)。住み替え意向別に見ると、「具体的な相談先、依頼先がある」は、住み替え意向あり・マンション(298人)で18.1%、住み替え意向なし・マンション(271人)で28.9%、住み替え意向あり・一戸建て(270人)で32.1%、住み替え意向なし・一戸建て(271人)で45.0%と、住み替え意向がない人の方が、割合が高かった。
「具体的な相談先、依頼先がある」と回答した人に、具体的な相談先を複数回答で聞いたところ、工務店が約30%、リフォーム専門会社が約15%を占めた。工務店・リフォーム専門会社とも「住宅の維持・管理に不可欠な相談先」であることから「日頃から、維持・管理に満足していれば住み続ける意向が高まり、住み替える意欲も低下する可能性がある」と同社では見ている。
※(株)長谷工総合研究所 「持家長期継続居住者の住宅に対する意識調査」要約版