トップ>不動産トピックス>家族間で生活時間が揃わない時差家族は44%、マンションより一戸建て居住者に多い
積水化学工業(株)住宅カンパニーの調査研究機関である(株)住環境研究所はこのたび、「『時差家族の住まいと暮らし満足度』調査」の結果を発表した。夜勤・交代制勤務や不定休の家族がいるために家族間で生活時間が揃わない家族を「時差家族」と定義し、時差家族のボリュームや暮らし満足度、家族・建物の実態などを把握するため、全国(沖縄を除く)の25~79才の住宅所有者またはその配偶者かつ、築15年以内の持ち家一戸に2人以上の家族で居住している人を対象として、平成26年7月にインターネット調査を行い、2,925件の有効回答を得たもの。
この調査では「時差家族」を以下のように定義している。
・「家族に夜勤あり」(回答者本人または回答者の配偶者が(1)「夜勤、深夜労働がある」(2)「宿直、当直勤務がある」(3)「始業時間が午後11時~午前5時台になることが月5日以上ある」(4)「終業時間が午後11時~午前5時台になることが月5日以上ある」のいずれかに該当する人、回答者本人または配偶者以外の一緒に住む家族に(1)~(4)に該当する家族がいる人の合計)
・「家族で休日が揃わない」(家族の休日について「家族で休日が揃っていない」「家族で休日が揃う日と揃わない日がある」のいずれかに該当する人)
調査対象の持ち家世帯のうち「時差家族」の割合は44%(「家族に夜勤あり」10%、「家族で休日が揃わない」34%)となった(図1)。住宅タイプ別に見ると、注文住宅(2,043件)では45%(同10%、35%)、建売住宅(441件)では45%(同12%、33%)、マンション(441件)では38%(同8%、30%)となり、一戸建て居住者で時差家族が多かった。
※(株)住環境研究所 「『時差家族の住まいと暮らし満足度』調査」
住宅タイプ別に住まいの総合満足度を聞いたところ、「満足」または「まあ満足」と回答した人の割合は、時差家族では「家族に夜勤あり」「家族で休日が揃わない」ともに、注文住宅居住者が、建売住宅居住者やマンション居住者よりも高かった。同社では、「時差家族は時差なし家族と比べて既成の住まいが適合しにくいことが考えられる」としている。
家族で生活時間が異なることで負担や支障を感じるかを聞いたところ、最も負担感が高いのは「家族に夜勤あり」で52%(「負担や支障を大いに感じる」6%、「負担や支障を感じる」9%、「負担や支障をやや感じる」37%)だった。次いで、「家族で休日が揃わない」で35%(同3%、4%、28%)、時差なし家族で17%(同1%、1%、15%)の順となり、回答者属性別(時差当事者/当事者以外、男性/女性)に見ると、「時差家族の女性がより高い負担感を感じている」ことが分かった(図2)。同社では、「女性は夜勤・交代制勤務者や土日勤務者といった時差当事者ではなくても高い負担感を感じており、家族間時差の影響を受けやすいことが考えられる」と見ている。
※(株)住環境研究所 「『時差家族の住まいと暮らし満足度』調査」