トップ>不動産トピックス>シニアライフに向けての住み替え、9割強が「満足」
三井不動産リアルティ(株)はこのたび、「シニア世代の住まいに関する意識調査」の結果を発表した。平成25年8月23~26日にインターネットによるアンケート調査を行い、521人の有効回答を得たもの。調査対象は、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)、関西圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県)、中部圏(愛知県)の計3エリア在住で、定年(老)後のシニアライフに向けて、50歳以降に住み替え(持ち家から持ち家)を行った260人(男女130人ずつ)と、50歳以降に住まいの大規模リフォームを行った261人(男性130人、女性131人)。年齢分布は「50~59歳」が22%、「60~69歳」が51%、「70歳以上」が27%だった。
シニアライフを送る住まいとして、現在の住まいに満足しているかどうかを聞いたところ、「満足」と回答した人の割合は、住み替えを行った人の90.3%(「非常に満足(100点)」26.5%、「まあまあ満足(75点)」63.8%)、リフォームを行った人の86.9%(同17.6%、69.3%)となった。物件タイプ別に見ると、「中古マンションへの住み替え」(42人)で「満足」との回答が95.3%(同28.6%、66.7%)と最も高かった。
住み替えまたはリフォームにかかった費用※1は、「住み替え」では平均2,497万円※2、「リフォーム」では平均717万円だった(図1、2)。「中古マンションへの住み替え」では平均1,611万円と、住み替え全体の平均金額より900万円近く低い結果となった。
何歳頃から定年(老)後のシニアライフの住まいについて考え始めたかを聞いたところ、「住み替え」は「50~54歳」(34.2%)が最も多く、次いで「55~59歳」(25.0%)、「50歳未満」(18.4%)の順で、平均は55.4歳。「リフォーム」では「55~59歳」(34.9%)、「50~54歳」(27.6%)、「60~64歳」(16.1%)の順で、平均は58.0歳だった。また、実際に住み替えまたはリフォームを行った年齢を聞いたところ、「住み替え」は平均58.9歳で、定年前である60歳未満が61.6%(「50~54歳」32.7%、「55~59歳」28.9%)を占め、「リフォーム」は平均61.0歳となった。同社では、「住み替えでは、2割近く(18.4%)の人が50歳未満でシニアライフの住まいについて考え始めており、6割を超える(61.6%)人が定年前(60歳未満)に実際に住み替えを行っている」と分析している。
※1 買い替えの場合は、購入金額と以前の住まいを売却して得た資金を相殺して、新たに持ち出した金額を回答
※2 平均値は回答結果をもとに加重平均を算出
※三井不動産リアルティ(株) 「シニア世代の住まいに関する意識調査」
住み替えを行った人に対し、住み替え先のエリアを聞いたところ、最も多いのは「以前の住まいと同じエリア」(44.6%)で、次いで「以前の住まいよりも、都心寄りのエリア」(31.5%)、「以前の住まいよりも、郊外よりのエリア」(23.9%)の順となった。住み替え後の物件タイプ別に見ると、一戸建て(125人)では「以前の住まいと同じエリア」(51.2%)が最も多く、マンション(135人)では「以前の住まいよりも、都心寄りのエリア」(44.4%)が最も多かった。
住まいのリフォームではなく住み替えを行った理由を複数回答(3つまで回答可)で聞いたところ、「買い物や病院など、生活の利便性の高いところに住みたかったから」(31.5%)が、2位の「より広い住まいに住みたかったから」(20.4%)に10ポイント以上の差をつけ、トップとなった。年代別に見ると、60歳未満で住み替えた人(160人)では全体と同じく「買い物や病院など、生活の利便性の高いところに住みたかったから」が最も多く35.0%を占めたが、60歳以降で住み替えた人(100人)では「マンションに住みたかったから」(27.0%)が最も多く、全体では10位だった「子どもと同居/近居するため」(16.0%)が4位に浮上していることから、「年齢を重ねたシニアほど、利便性の高い立地に加え、管理のしやすいマンションへ住み替えや子どもの近くなど、体力の衰えるシニアライフをより意識した選択となっていることが分かった」と同社では見ている。
リフォームを行った人に対し、現在の住まいにどのようなリフォームを加えたかを複数回答で聞いたところ、7割以上が「風呂場/トイレの交換/バリアフリー化」(77.4%)、「クロス・床の貼り替え」(75.5%)、「キッチンの取り替え」(74.7%)を行っていることが分かった。物件タイプ別に見ると、マンションではそれぞれ85.7%、83.9%、87.5%と、8割以上を占めた。また、マンションでは「部屋数を減らした(減築)」が39.3%となり、「住まいの老朽化に伴うリフォームだけでなく、シニア世代のライフスタイルにあわせて部屋数を減らし、『ゆとりある住空間』を手に入れるためのリフォームも積極的に実施していることがうかがえる」。一戸建てでは「段差の解消や手すりの設置などバリアフリー化」が52.7%と過半数を占めた。
住み替えではなく住まいのリフォームを行った理由を複数回答で聞いたところ、最も多いのは「住み慣れた家を離れたくないから」(34.5%)で、次いで「住環境を変えたくないから」(34.1%)、「修繕すればまだ住めると感じたから」(33.0%)の順だった。