トップ>不動産トピックス>20~40代の若者世代のうち55.7%は、現在または将来に住み替え意向あり
(一社)不動産流通経営協会(以下FRK)はこのたび、「若者世代の住替え意識調査 概要版」を発表した。住宅取得のボリュームゾーンである若者世代を対象に、今後の住み替え意識や物件選択に関するこだわりやライフスタイルの志向性について把握・分析するために、1都3県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に住む20代~40代の男女(世帯主に限らない)を対象として、平成25年2月にインターネット上でアンケート調査を実施し、4,500人(持ち家一戸建て1,500人、分譲マンション1,500人、賃貸住宅1,500人)の有効回答を得たもの。
住み替え意向について聞いたところ、現在住み替え意向がある層は、全体の21.6%(「住み替える予定がある(住み替え先が決まっている)」3.1%、「住み替えたいと思っており、今後具体的に検討したい」10.5%、「住み替えたいが、諸事情により難しそうだ」8.0%)となった(図1)。将来可能性がある層(「将来は住み替えるかもしれないが、現時点では予定はない」34.1%)と合計すると、55.7%に住み替え意向が見られる結果となった。一方、住み替えの意向がない層は、44.3%(「現在の住まいに住み続けるつもりだ」41.3%、「住み替える予定はないがセカンドハウス等を購入したい(検討している)」2.2%、「その他」0.8%)だった。
現在の住まい別に比較すると、賃貸住宅では年齢にかかわらず、現在住み替え意向がある層は約4割前後で、持ち家一戸建てや分譲マンションと比べて高くなっている。
現在住み替え意向がある層の住み替え阻害要因を見ると、「住宅を取得するにあたっての、まとまった資金の調達への不安」が最も多く、次いで「将来の安定的な収入確保の不安(住宅ローン返済の不安)」となっており、FRKでは「金銭面の不安が主な要因となっている」と見ている。
※(一社)不動産流通経営協会 「若者世代の住替え意識調査 概要版」より抜粋
住み替え意向が見られる人(現在住み替え意向がある層21.6%+将来可能性がある層34.1%)が希望する住み替え先を見ると、最も多いのは、現在の住まいが持ち家一戸建て(578人)の場合は「一戸建て住宅(土地・建物ともに所有)」(60.4%)、分譲マンション(772人)の場合は「分譲マンション」(54.9%)、賃貸住宅(1,155人)の場合は「民間賃貸住宅(賃貸マンション・アパート)」(49.7%)となり、現在の住まいと同じ住宅形態を希望していることが分かった。
住み替え先として持ち家一戸建て(818人)または分譲マンション(755人)を希望している人に、住み替え先は新築と中古のどちらを希望するのかを聞いたところ、「新築派」は54.4%(「新築のみを希望」23.6%、「主に新築を希望」30.8%)となり、「新築にこだわらない派」は45.6%(「新築と中古にはこだわらない」39.0%、「主に中古を希望」4.8%、「中古のみを希望」1.8%)となった(図2)。
「新築にこだわらない派」(717人)に、中古なら築何年まで購入したいかを聞いたところ、「築10年以内」が50.9%(「築1~5年」9.2%、「築6~10年」41.7%)を占めた。また、「新耐震基準(昭和56年以降)を満たしていればよい」との回答も22.9%を占めた。
住み替え意向が見られる人のうち、住み替え先の希望が持ち家一戸建て、分譲マンション、賃貸住宅(880人)の合計2,453人に、住み替え先の住まいに求めるこだわりを複数回答(全35項目から6つまで選択可)で聞いたところ、「日当たりや通風がよいこと」「耐震性に優れていること」「駅に近いこと」「希望のエリアであること」が多く挙げられた。6つまで選択したこだわりの中から最もこだわる3項目を選択し、「多少費用がかかってもこだわりを優先したい」か、「こだわりが実現できなくても費用の安さを優先したい」かを聞いたところ、「多少費用がかかっても優先したい」との回答が多かったのは、「日当たりや通風がよいこと」(持ち家一戸建て希望者87.3%、分譲マンション希望者81.9%、賃貸住宅希望者76.0%)や「耐震性に優れていること」(同90.5%、87.4%、82.9%)で、快適性、安心・安全性に強いこだわりが見られた。
※(一社)不動産流通経営協会 「若者世代の住替え意識調査 概要版」より抜粋