トップ>不動産トピックス>首都圏中古マンション・中古一戸建て、築年数が古い物件の取引が拡大
(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)はこのたび、首都圏における平成23年度(平成23年4月~平成24年3月)の不動産流通市場の動向をまとめた「首都圏不動産流通市場の動向(2011年度)」及び、平成23年1~12月における中古マンション・中古一戸建ての成約・新規登録物件について、築年数(建築後経過年数)に照準を当て動向をまとめた「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」を発表した。
平成23年度の首都圏における中古マンションの成約件数は2万9,620件(前年度比1.1%減)で、2年連続で前年度を下回ったものの、ほぼ前年度並みとなった。一方、同期間に新規に登録された物件は17万9,604件(同22.9%増)で、平成20年度の16万3,787件を超える高水準となった。成約物件について見る(表1)と、平均価格は2,516万円(同2.5%下落)で、特に東京都区部では5.4%と下落幅が大きい。平均専有面積は65.07㎡(同0.4%縮小)、平均築年数は18.50年(前年度17.67年)で、「古い物件にシフトする傾向が顕著」となった。
中古一戸建ての成約件数は1万766件(同1.5%増)、新規登録件数は6万5,050件(同11.8%増)でともに増加。成約物件の平均価格は2,936万円(同2.4%下落)で2年ぶりに前年度を下回った。平均築年数は19.40年(前年度18.96年)で、4年連続で上昇しており、中古マンション同様「古い物件へのシフトが進んでいる」。
新築一戸建ての成約件数は4,329件(同7.9%増)、新規登録件数は5万6,669件(同46.4%増)で、ともに2年連続で前年度を上回った。成約物件の平均価格は3,448万円(同1.1%下落)で、4年連続で前年度を下回る結果となり、都県・地域別に見ると「埼玉県と横浜川崎地域を除く各都県・地域で下落」している。
土地(100~200㎡)の成約件数は5,142件(同5.8%増)で、平成21年度の4,992件を超える高水準に。新規登録件数は4万4,580件(同19.2%増)と3年ぶりに増加した。成約物件の平均価格は2,801万円(同3.4%下落)で、4年連続で前年度を下回った。
※1:土地(100~200㎡)の面積は参考値
※2:中古マンションは専有面積
※(公財)東日本不動産流通機構 「首都圏不動産流通市場の動向(2011年度)」より抜粋
平成23年1~12月に成約した中古マンションについて、築年帯別に構成比率を見てみると、最も比率が高いのは築6~10年(21.5%、前年21.6%)で、次いで築31年以上(同18.2%、16.0%)、築11~15年(同17.7%、17.4%)、築16~20年(同11.3%、10.5%)の順となった。同機構では「特に、築30年を超える物件は10年前の4.8%から18.2%へと大幅に拡大している」と指摘している。
中古一戸建てでは、築31年以上(同17.5%、15.8%)、築11~15年(同17.1%、18.2%)、築16~20年(同16.9%、16.3%)、築6~10年(同15.5%、15.4%)の順となった。築20年を超える物件の比率は合わせて42.1%を占め、築20年超の「比率が拡大している」。
同期間に成約した物件の平均価格を築年帯別に見る(表2)と、中古マンションでは、「築0~5年が3,900万円台、築6~10年が3,600万円台、築11~15年が2,900万円台、築16年以上の各築年帯では2,000万円未満」、中古一戸建てでは、「築10年以内は3,500~3,600万円台、築11~15年は3,300万円台、築16年超は2,000万円台」となった。
※(公財)東日本不動産流通機構 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」より抜粋