トップ>不動産トピックス>3,500万円未満かつ60㎡以上の新築マンション、首都圏で18.4%とシェアが低下
(株)不動産経済研究所はこのたび、「一次取得者層向け住戸の供給実態調査 首都圏2010年」を発表した。一次取得者層向けの新築マンションが実際はどれほど供給されているのかを導き出す目的で、首都圏マンションの平成22年1年間における「販売価格3,500万円未満」かつ「専有面積60.00㎡以上」の新築マンションの供給実態を調査したもの。
平成22年に首都圏で供給された新築マンションは4万4,535戸。このうち、「昨今購入の主力となっている団塊ジュニアやジュニアネクスト等の一次取得者層にとって、比較的買いやすい・手を出しやすい価格」である3,500万円未満で、かつ、「ファミリータイプ住戸としての必要とされる最小専有面積」である60.00㎡以上の広さを持つ住戸は、8,204戸(前年比15.7%増)で、全供給戸数に対してのシェアは18.4%(前年比1.1ポイント減)だった(図)。
同研究所によると、「ここ数年間マンション分譲価格は、素地価格の上昇に加えて、建築コストの大幅アップから上昇を続けて」いるため、専有面積30.00~59.99㎡のコンパクトマンションは増加傾向にあるが、「一次取得者層向けの住戸の供給も減少してきており、シェアも細る一方」という。調査を開始した平成12年からの供給動向を見ると、平成13年の38.0%をピークに、「大量供給時代」と言われる平成18年までは30%台を堅持していたが、平均価格が大幅にアップした平成19年には、25.4%に落ち込んだ。その後も低下を続け、平成21年には調査開始以来初めて20%を割り込み19.5%となった。平成22年は、全体供給戸数の回復により戸数は増加したものの、「シェアは依然として落ち込みを続ける」結果となった。

※(株)不動産経済研究所 「一次取得者層向け住戸の供給実態調査 首都圏2010年」の数値を基にグラフ作成
一次取得者層向けマンションの供給戸数とシェアをエリア別に見ると、都区部は503戸(前年比増減率0.4%減)・2.5%、都下は1,020戸(同20.6%増)・29.6%、神奈川県は2,126戸(同25.1%増)・20.9%、埼玉県は2,058戸(同5.2%減)・36.8%、千葉県は2,497戸(同33.5%増)・50.8%となった(表1)。また、各エリアの供給数トップは、都区部では足立区(182戸)、都下では西東京市(396戸)、神奈川県では大和市(255戸)、埼玉県では草加市(298戸)、千葉県では流山市(489戸)だった(表2)。
今後について、同研究所では、「用地取得費・建設コストの上昇が予想されることから、大手企業・都区部中心の市場構成に大きな変革はないものの、一定レベルは郊外での供給が増えると考えられるため、『一次取得者層向けマンション』の供給戸数およびシェアとも回復傾向に向かう」ことになるが、「立地の郊外化は避けられない」と見ている。


※(株)不動産経済研究所 「一次取得者層向け住戸の供給実態調査 首都圏2010年」より抜粋